宇宙ガラスの流行りで、耐熱ガラスに、オパールを封入した作品が、多くなりました。
この人工オパール、見る方向から見たら、線が見えます。
それが、特徴です。
きっと製法上のことだと思う。
同じサイズの二酸化ケイ素が、層状に並ぶと、そこが遊色に見える。
多分、同じサイズの二酸化ケイ素を仕込みつつ、もっと薄い層にしたいと考えると、じゃ、何らかの方法で広げたら、薄くなるやんねってことだと思う。
個人的に、オパールは、大好きで、天然のオパールのルース(裸石)を、何個か持っている。宇宙ガラスブームの前から。
で、世間で、人工オパール封入が流行ったとき、けっこう、複雑な気持ちだったんです。
今となっては、作ってます。
人工オパールも、きれいです。
時々行っていた石のイベントで、ルースで、「人工オパール」と書いたものを売っているのを見かけた。
他の商品を見ると、けっこう真面目な表示をしているブースで。
そこの店主にだったか。
聞いてみた。
「人工オパール、線が入っているのが特徴なのは知っているけど、線が見えない方向にきれいにカットして、線が見えないように、ジュエリーとしてセットしたら、天然と見分けつきますか?」
物によっては、プロでも、難しいだろうということでした。
だよね。
私が買っているところでは、必ずガラスに封入したものを売るように、条件がつけられていた。
天然のオパールは、必ずわずかでも、水分を含んでいる。水脈の中で、二酸化ケイ素の粒が溜まってできるからだ。
確か、水分が多い石は、徐々に乾いて、割れるらしい。
人工オパールは、水分を含んでいない。
だから、熱をかけても、割れない。
ガラスに封入できるのは、人工オパールの証拠。
そもそも、お値段の張る天然のオパールを、わざわざ、ガラスに封入する理由も見当たらない。
そんなこんなで。
ガラスに封入することを条件に、売ってもらっているのは、自ら「人工です!」と、いっているようなものだからだと思っていた。
なので、オパール好きの端くれとして、ガラスに封入し、その上で「人工」と、言って売るようにしていますが。
そういうところは、遠からず、崩れ始めるだろうとは、思ってはいた。
人工が登場すると、天然の地位が、どんなだか分からないけど、必ず変わるものなんだろうと思う。
いつ?
どこから?
崩れ始めるのか。
一ヵ所、止めても、また別のところから、崩れるんだろう。
きっと、止められない流れ。
ダイアモンドか、値崩れをしなかったのは、デビアスが、採掘量を調整していたからなんだって。
今どき、物事が変わっていくのは早いから。
オパールも、変わっていくのかな。