「検査をしてはいけない」とまで書いている人がいるけど

 こないだから、もやもやしっぱなしの、「検査」話です。

 が、一つクリアにしておくのは、きっと、現実的なところで、どのくらい検査すればいいのかという落としどころがきっとあるだろうということです。つまり、今の「限界」を踏まえてということです。

 ところが、話がすり替わっていて、仮に検査能力がもっと上がって、もっと検査ができるようになったとしても、「あまり検査をしない方が上手く回る」「いま日本が落ち着いているのは、検査をあまりせずに抑えているから」っていう話に捻じ曲げられているのが、どうにも気持ち悪い。

 小池都知事が、首都封鎖もあり得るという、可能性に言及したことに関しては、オリンピックが予定通りできないことがほぼ決まりになったから、やっと口を開いたのかと、書いている人もいて。まあ、そうなんかな。

 ということは、まだ、これからかもしれないと、専門家はみている訳で。検査をしないから抑えられている訳ではなく、もしかしたら、手洗いの習慣とかハグやキスの習慣があまりない事とか、そういう何かの理由で、一気に来る手前でとどまっているだけかも知れないと考えるのが、正しいんじゃないかと思うのです。

 本当は、検査の方法が開発されて、検査可能な件数が、今の10倍、100倍のキャパを持つようになったとして。それも仮定ですが。

 感染症が、指数関数的に増えて行くのであれば、2、4、8、16、32、64、128と、128倍は、2の7乗ですから、場合によっては、それくらいの検査が必要な局面が、起こりかねない訳で、将来的に、検査可能な件数のキャパは大きい方がいいでしょ。

 そこを捻じ曲げてしまう論理が嫌なんです。

 

 検査のキャパからして、優先順位の高い方からやって、現場が疲弊せず、一番効率的に回せる落としどころを探すのは、当然だと思います。

 それなのに優先順位が低い人が、優先順位が高い人を差し置いて、が検査をしろというのは、やめるべきで。(もちろん、それも、岡田先生も玉川さんも、仰ってましたよ)

 その人たちに説明するにも、もっと、まともな説明でお引き取り願わないと、先日の、文春オンラインの鳥集さんの書いていた記事のような極論で説明するのは、非合理的だと思うんですよ。あの記事の結論の延長上にあるのは、文脈からして、発症していない人に検査をすることは悪くらいの意味に取れてしまいかねない、それって違うんじゃないかって、思います。

 今回は、症状が出ていない感染者がいて、その人からも他の人に感染させる可能性があるという、とても難しい状況で(ノロもそうですが、潜伏期間なり、必要なケアなりが違うのでまあまあどうにかなっているのか?でも、ノロも罹ってますって、外から見えたら楽なのは一緒ですよね)、発症していない人に検査をすることって、どういう意味があって、どのくらい必要かっていうのは、また別に考えないといけない話になって来ます。

 

 というわけで、嫌な女の本性発揮でございます。

 鳥集さんの記事を、抜粋させていただき、反論したいと思います。

もしも東京都民1000万人に実施したら……

 検査の実用性を評価するには、真の感染者を正しく陽性と判定できる確率を示す「感度」と、非感染者を正しく陰性と判定できる確率を示す「特異度」を考慮しなくてはなりません。新型コロナウイルスのPCR検査の感度は高くて70%程度ではないかと言われています。つまり、30%以上の人は感染しているのに「陰性」と判定されてしまうのです。これを「偽陰性」と言います。

 一方、特異度については不明ですが、どんな検査でも100%はないと言われています。仮に特異度が極めて高く99%だったとしても、100に1人は感染していないのに「陽性」と判定されてしまうことになります。これを「偽陽性」と言います。

 さて、この感度70%、特異度99%を前提に、東京都民1000万人のうち1万人(つまり0.1%)が新型コロナウイルスに感染していると仮定して、都民全員にPCR検査を実施した場合を考えてみましょう。なお、検査対象が感染している(疾患を有している)確率を、「検査前確率(事前確率)」と言います。

 

 すると、上の(表1)の通り、正しく陽性と判定できる感染者が7000人(1万人×70%)、一方、間違って陽性と判定してしまう非感染者が、9万9900人(999万人×1%)となります。

陽性と判定されても、本当に感染している確率は6.5%

 陽性の検査結果が出た人たちのうち、実際に感染している人の割合を「陽性的中率」というのですが、それを計算すると7000人÷(7000人+9万9900人)×100なので、約6.5%となります。つまり、陽性と判定した人の中で本当に感染している人は、100人のうち6~7人しかいない計算となってしまうのです。

 それだけでなく、実際には感染していないのに、陽性とされてしまう「偽陽性」の人が10万人近くも出てしまうことになります。現在、新型コロナウイルスは指定感染症になっているので、たとえ軽症であったとしても、陽性の人は法律に基づき病院に隔離しなくてはいけません。

「軽症な人は病院ではなく家から出ないようにしてもらえばいい」という意見もありますが、1000万人にPCR検査をすると何の症状もなく元気なのに2週間も家に閉じこもらねばならない人が、10万人近くも出てきてしまうかもしれないのです。人権上、このようなことが果たして許されるでしょうか。

 

では、PCR検査が有効なのはどんな場合か?

 このように、PCR検査は有病率が低い大きな集団に行っても無意味なのです。しかし、だからといってPCR検査自体がまったく無意味ということにはなりません。今度は、仮に200人のうち100人が感染しているクラスター(感染率50%の集団)にPCR検査を行った場合を考えてみましょう。

 

 すると、上の(表2)の通り、正しく陽性と判定できた感染者が70人(感染者100人×70%)、間違って陽性と判定してしまう非感染者が1人(非感染者100人×1%)となり、陽性的中率は70人÷(70人+1人)×100=98.6%となります。つまり、感染者が多いと予想される小さな集団にPCR検査を行った場合の「陽性」判定は、ある程度信頼性が高いと見なすことができるのです。

 ただし、陰性と出た人のうち本当に感染していなかった人の割合を示す「陰性的中率」を見ると約77%(99÷129×100)です。つまり、陰性と判定されても実は感染している人が20%以上(100%-約77%=約23%)も混じっているので、他の病気が原因と確定診断できない限り、たとえ陰性でも臨床的には「全員コロナウイルスに感染している」という前提で対処するしかありません。

 

 まず、1000万人の検査をする、という仮定は、非現実的で、無意味です。

 3月の中頃だったか、政府は、3月の末ごろには、全国で1日7000件の検査ができるようになると、見通しを発表しました。この7000県の負担がどれほどの物かは分からないです。現場は、大変なんでしょうか?

 1000万件だと、1428日、約3.9年かかります。やっている間に、感染の状況は、どんどん変わる。そこまで非現実的な数値を、仮定にするのヘンでしょ。

 そりゃあ、疑陽性とやらも、大勢出してしまうでしょう。

 刻々変わる状況からして、状況把握は、日一日と変わっていきます。

 玉川さんがおっしゃっていた、民間も活用してもっと検査を増やすべきのオーダーは、10倍も言ってなかったと思うけど、仮に10倍できても、フルで回しても、1000万人では、142日もかかることになる。

 それほど多くの疑陽性の人を出してしまう心配はないはずだ。

 政府が言う1日7000件より、玉川さんの主張は、民間活用したらもっとできるはずってことだったので、正確な数値は覚えてないですが、2万件としましょう。

 仮に、1日2万件の検査ができると仮定して、症状のある人と無症状の人も含めてランダムに1日2万件検査すると。

 仮に、感染者数が0.1%の確率で存在していて、疑陽性が出る率が1%なんだとすると。

 ランダムに選んだ場合、一日当たり検査できた人の中には、本当の感染者は20人、陰性の人は、19980人。そのうち、疑陽性と出てしまう人は、199.8人。潜伏期間が14日程度とされているので、疑陽性でかかってなかったのに、自宅待機を要請されてしまう人は、一日当たり、1400人です。

 あれ、結構な数かも。ただし、これは、疑陽性で出る率が、1%、感染者の割合が、0.1と見た時の数値ですからね。

 この時、1000万人の0.1%の人が、本当に感染していると仮定しているので、感染者数は、1万人です。

 治療や、自己隔離を要請するための検査(疫学調査ではなく)と考えると、1日のキャパが(実際より多めに見積もった計算でないと話の一貫性が保てないので仮に)20000件なら、ランダムに選ぶのが効率が悪いのは当たり前で、その20000件、(政府が言っているのは7000件)を、普通に考えると、無駄遣いせずに済む方法を、当然考えます。

 肺炎症状の人、風邪症状の重い人でインフルでない人、発熱ある人、何等か風邪っぽい人、そういう優先順位をつけて、ランダムではなくて怪しい人から使うのは当たり前です。

 そうすると、検査の母集団が変わるので、本当の陽性の人は、0.1%よりももっと多く、本当の陰性の人は、もっと少なくなる。

 後半の、感染している人とその周辺の200人を調べると仮定するとという方と、200人を調べるのか、20000人を調べるのかと、考え方は、ほぼ同じになります。(まあ、50%と仮定すると、2万人の内、1万人が感染者ってことになるので、50%ではないでしょうけど)

それに、疑陽性で出てしまう確率、ホンマに、1%なんやろか?って、疑問は、まだ残ってます。

 キャパが十分になるなら、何等か疑わしさがある人を検査できないよりは、検査できた方がいい。

 

 疑わしさがある個人として、自分一人のことを考えたら。

 何等か心配な状況があって、調べてみたいと考える。

 ここで使われている仮定を使うと、偽陰性と出る確率が70%、疑陽性と出る確率が1%とすると。

 自分が、本当は陽性だった場合、陽性と出る確率が、7割、見落とされてしまう確率が、3割

 自分が、本当は陰性だった場合、陰性と出る確率が、99%、間違われて陽性だとされてしまい自己隔離しないといけなくなる確率、1%

 合理的に考えて、検査を受けておきたい心配な理由があった場合。

 あなたなら、「疑陽性、偽陰性があるから、調べたくない!」と思うか、「いや、このくらいの確率なら調べないよりいい!」と思うか、どちらでしょうか?

 で、陽性と言われて、疑陽性の可能性が1%あるよと言われた時、自己隔離の2週間を、無駄と思うでしょうか?

 あなたなら、陰性と言われたからと言って、1日2万件しか検査できない状態で、陽性の人がいるかもしれないところへ、チャラチャラ、出かけるでしょうか?

 まあ、ホンマに合理的に考えるべきだし。

 検査には、キャパがあって、優先順位があるんだよという話は、相応の、合理的な説明をしなければ、おかしな論理で無理くりの説明したら、その話がねじ曲がって、独り歩きしかねないと思うし。もう、一部の人の中では、独り歩きしてると思うけど。

日本は検査しないから、感染が広がっていなくて、上手く医療が回ってる?なんやねんそれ?

検査増えたら、検査トリアージして、医療を回す。それが、ホンマの答えちゃうんか?

 

 私は、医療関係者ではありません。

 でも、オバちゃんながら、現代の教育を受けて、自分の頭でまじめに考えようとする、一応若いころは、リケジョやってんという、個人ですが。

 そういう人が、まじめに書いてはみましたが、間違いを含んでいたらすみません。

 心ある方は、間違いに気付いたら、ぜひ、教えてください。ホンマに、そうしていただけるとありがたいです。

 

 わ!、我ながら、かわいげない、うざい、めんどくさい。

 

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