さっきこんな記事を見つけました。
抗体簡易検査「精度に課題」、陽性判定の9割が陰性…東大先端研
その一部です。
調査は5月、同チームと福島県の「ひらた中央病院」が協力して実施。同病院に勤める医療・介護従事者680人を、ある簡易キット(イムノクロマト法)で検査したところ、58人が陽性だった。このうち約9割の52人が精密検査では陰性と判定された。キットで陰性だった人は、精密検査でも陰性だった。
抗体検査キットで、680人調べて、58人が陽性。でも、そのうち、52人は陰性で、本当に陽性だったのは、6人だけ。
抗体検査キットで、陰性と出た人は、622人で、この人たちは、精密検査でも陰性だった。
めっちゃ、偽陽性が出てますね。
すでに、「検査」の体をなしてない。
新型コロナウィルスには、まるい本体の外側に、ぽちぽちと突起が出ている。
この突起は、たんぱく質で、人間の血管の内壁などに「ACE2」という受容体があって、ウィルスの突起のたんぱく質の形と、ACE2という受容体の形が、鍵と鍵穴の関係にあって、ここにくっつくことで細胞内にウィルスを招き入れてしまうんだそうです。
抗体は、このウィルスの突起、いわば鍵に当たるたんぱく質のある部分の形とパズルが合うようにくっついてしまい、そのことで、ウィルスの鍵の形が変わってしまって、鍵穴と形が合わなくなるという働きをするもの。
で、ウィルスの突起は、とてもたくさんの原子からできた大きなたんぱく質の分子なので、そのどの部分に、パズルのように形が一致してくっつくかという選択肢がいろいろあるので、抗体の種類は多いということですね。
という訳で、ウィルスに感染してしまうと、それに対抗すべく、鍵の部分にパズルのようにくっついて鍵を使えなくしてしまう「抗体」が何種類かできて。
で、この抗体があることが、過去に感染したという証拠になるとして、この抗体があると反応する検査が「抗体検査」なんだけど。
今は、回復してくる頃に増える抗体を見つけるために、過去に感染していたことが分かるということで。
そもそも、その、おっそろしく「特異度」が低い(これって、10%程度とということ?)抗体検査ですが、目標にしている抗体、IgG抗体と言われているものは、どの検査でも一緒ということで良いのかな。
過去のニュースを見る分には、そういうことやもんね。
その抗体を目標にしていることだけは、間違いないやんな?
で、無いのにあるとなってしまうというのは、何が起こってるん?
そうそう。
「ひらた中央病院」の医療・介護従事者は、680人中、6人が抗体を持っていたということですが。
院内で、過去に感染したんだろうなという人が、6÷680×100=0.8823≃0.9%ということですね。
こんなもんか。
東京での「抗体検査」って、東大がやっていた検査は、独自の抗体検査だったそうで、交差反応が起こらないとか言うていて、陽性は、0.6%でした。
それは、信用して良いんやろか?
大阪市立大学の独自の抗体検査キットでの検査でも、1%でしたね。
信用して良いんやろか?
で、どこのとは書いていない抗体検査キットは、9割疑陽性ということで、実際より10倍も陽性がいると判定してしまうってことか。
で、実際の陽性は、0.9%ということ。
書いている内に読めてきた。
何故この調査をしたのか。
「も~!怪しいキットは使わんでくれ!」
っていうのを、実際の調査をして数値を示すことで、言いたかったんですね。
「前のめりに、検査検査言うなや!」っていう意味ですね。
ま、確かに、それを言うために、調査をきっちりやるということは素晴らしい!一歩前進です。
じゃあじゃあ。
神戸大学でも、兵庫県下で3000人規模の抗体検査予定されてますよね。
大阪府下でも、3000人規模の抗体検査予定されていますよね。
せっかくなんで、東大が使ったのとか、大阪市大が使ったのとか、それに近い物を独自に開発したのとか、どこかのもっと制度が信用できるものとか、信頼性の高い検査キットで、ぜひとも検査してもらいたいです。
ところで、抗体検査では、「交差反応」というものがあって。
他の旧型コロナの感染時に出来た抗体にも反応しているのではないか?という話もありましたけど。
これがあると、「新型コロナに感染した人の実数を、何等かで知りたい」という目的の邪魔になることになりますが。
これは、「抗体」の免疫の話ですが、何でも、T細胞の免疫が、他の旧型コロナでできた免疫が、新型コロナに有効に働いている可能性というのも言われ出してきていて。
交差反応が起こるということは、抗体でも、他のコロナでできたのを使いまわせてたりはしないのかなあ?って、思ってしまいます。
だと良いな。
でも、それもまた、誰かが調べてみないと確かなことは言えませんけどね。
ホンマに、調べるのがこれほど好きか?って話ですが。
まあ言えば、「謎解き」と一緒なんでしょうね。
ミステリーで、毎回毎回、人が死なないとドラマが動き出さないのに、大概飽き飽きしていた。
でも、こういう謎は、本当のところはどうなん?って、知ってみたいです。
J・P・ホーガンの「星を継ぐもの」に引き込まれて行くのと似ています。
昨日のブログを書きながら思っていた。
確かにな。
インフルでも毎年死ぬ人が結構いるんだから、新型コロナだけになんでこんなに騒ぐんだ?という人がいる。
新型コロナも、大して危険じゃないものなら、「ああ、風邪」って、良く調べられることもなく、他の風邪とまぎれてしまっていただろう。
やっぱり、少数の人とは言え、他の風邪とは違う、明らかに激しい症状が出ているから、騒がれて、突き止められたんだろうな。
それがどの程度普通のよりは危険なのか?っていうのは、起こってみて、絞り込まれてくる。
確かに、致命率(病気が判明した人の内、亡くなってしまう人の率)が、ものすごく高い病気とは違うので、そこまで恐れるのは恐れすぎ。
それでも、普通の風邪程度と軽視できないくらいのものではある。
東京の抗体検査の陽性率、0.6%と聞いた後は、そしてなんとなく収束してきたこの頃は、どこか、ウィルスが遠くにしかいない、「対岸の火事」的なモードにはなっていると思う。
ただ、その火の粉が、こっちに飛んで来たら、今みたいに謎解き気分では、物は考えられなくなるんだろうなと思う。
封じ込めに成功するか。
新型コロナの第一波と思われていたあの武漢型と欧米型の感染が、その前に緩い新型コロナとして広がって気づかれていなかった本当の第一波の後の、実は第二波で、なんだか収まって来ましたとか、ならんかなあ。
とか、まだ時々、ムシの良いことを考える。
この夏、広がりませんように。
※追記
後から、よくよく考えると、最初の調査には、変な作為を感じます。
例えば、ものすごく厳密に、使える情報として発信しようと思うのなら、IgG抗体の抗体が、本当に陽性だった人は、制度の高い検査で調べて、6人とわかっています。
ならば、その手間をかけたのなら、何種類か、具体的な抗体検査の性能を試してみて、差し障りあったらまずいけど、そうでなかったら、どこの検査か公表しても良いんでは?と思うんです。無理なんかな?
そこで思うのが、精度がある程度信用できる抗体検査があるのなら、そういうのも、同時に試してみて、精度が高いものもあることを、示しても良いんじゃないかな?
私なら、精度が悪いものがあると確認したら、じゃあじゃあ、精度の良い物ってないのん?って、思うし、探してみようとか、良さそうと思う物が、使える物か確認してみようと考える。
何故なら、検査で分かることを、知りたい、情報を手に入れたいと思うから。
素人の、ストレートな感想を言うと。
この調査の意図に、なにか、「消極的な空気」を感じる。
いわば、一部の医療従事者の「くっそ、トーシローが、ガタガタ雑音発しくさって!」と、一般人が知りたい気持ちを、小バカにして、否定している本音が見えてしまった。
まあ、目障りな気持ちも、分からんではない。
消毒も、おいおい!って、ツッコミ入れたくなるような、ポイントを外したというか、トンチンカン極まりないものも目にする。
その時、どうする?
私も、一時、理系だった自負はあっても、分かることがあっても、分からないことも多い。
分からない立場から見ると、ちゃんと説明してはくれないもんかと思うわけですよ。
「けっ!こんな検査、役に立つかい!(立つのか?いや、そんな訳がない!という、播州弁の否定表現です)」
って、偏屈親父みたいな、残念なコミュニケーションになってしまいかねない。
せっかく、調査に手間をかけておきながら、残念極まりない持って行き方になっちゃいないか?
なんかまた、一部の医療従事者の方の、ちんまさ(友人が、死語レベルというので、ちゃんと言うと、了見の狭さ)が、垣間見えた気がした。
と、書いている私の中には、「蚊帳の外やからな、どうせ」という僻み臭さも、内包している。(笑)
人間、完璧なんかは絶対無理。
でも、せっかくだから、素直でありたい。
セコくてもエエねんけどな。
笑えるから。
でも今は、物によっては、笑えない。
使える手があるなら、あらゆる物を、有効利用したい。
前のめりで、無駄なことをしたくはないと思えるけど、それも許容範囲内なら、良しやと思う。
気づいた時点で、やめて方向転換したら良い。
新たなこと、踏み均されていないこと、こなれていないことで、無駄が無く、信用度の高い物を求めて、間に合わなかったら、意味がない。
なんだかなあ。
正解が用意された問いに、そつなく答えてきた優等生の臭いがして。
変な、反感を抱く。
否定するなら、代案を出せ!
と、つい、言いたくなるのでした。
おしまい。