という訳で、まだ、ネオワイズ彗星を追いかけています。
というのは、曇った空でしか見られなかったから。
もっとクリアな空で見たかった。
一方で、彗星自体は、太陽から離れて行っていて、どんどん暗く小さくなります。
彗星の本体は、汚れた雪玉と言われていて、太陽に近づくと熱で表面が解ける。
太陽から吹く太陽風に流されて、太陽とは逆方向に尾ができる。
それ自体は輝いていないのですが、太陽の光で照らされて輝くのです。
近日点という、太陽に一番近づいている時は、太陽のすぐそばにあって、太陽が邪魔で観測しづらい。
今は、離れているので、暗い空で長時間観測できますが、太陽から離れているので、尾も小さくなって、太陽から届く光も少なくなって、地味です。
ぼんやりとした感じに見えるので、恒星(自分で輝いている太陽のような星)みたいに、明るい点には見えないので、見分けがつきます。
でももう、そろそろ限界。
尾を引いているところを見たかったですね。
7月20日に、インスタで@takupochoさんという人が、ひまわりの塔と一緒に、尾を引く彗星を撮影していました。
この日、何をしてたんだろうと思ったんですが、朝の4時に起き出して、晴れていると思って出かけて、低空だけ雲がかかってがっかりした日。
その日の夕方には、まだ尾を引いていたみたいですね。
悔しい!見たかった!
まあ、天体観測とは、そんなもんだ。
昨日は、夕方にかなりクリアに晴れまして。
いつもの場所に行ってみれば、カメラにメモリーカードが刺さってなくて、家に帰り、家から見たら高い場所なので結構見えていて、そのまま観測しました。
で、カメラのマニュアルフォーカス、余裕がなくて、いつも無限大で撮っていたのですが、ようやく、他の星を使ってピント合わせをした上で、撮ることができました。
温度などによって、焦点距離は、どうしても誤差が出るので、無限大ではなくて微調整が要るんだと教えてもらってはいたんですが、今回はあまりに晴れなくて、全くできなかったんです。ようやく、まともに撮れるってことですね。
そして、家の庭ってことは、天体望遠鏡を出せるんですね。
出しました。
ファインダー(倍率が低い小さい望遠鏡で、視野が広いので、これで対象をメインの望遠鏡に導入するのに使う物)を失くしたので付いてません。
太陽や月では、影を頼りに導入したことはあったけど、彗星はなあ・・・
とりあえず、その辺の星を入れたら、ピントを合わせて。
さて、メロッテ111を頼りに探すか。
って、あてずっぽうに探していたら、不意に視野をぼやけた点が通過。
え!
その付近を探しなおすと、ダイレクトに、彗星が入りました!!!!!!
あり得へん!
ちなみに、その後、明るい木星の導入を試みたけど、無理でした。
彗星を導入できるなんて、ホンマに、ただのまぐれ。ホンマにラッキーでした。
では、昨日の星図。
北斗七星の柄の一番先の星、ベネトナシュ、しし座の一番明るい星デネボラを探し。
それを一直線に結ぶと、線上に、りょうけん座のコルカロリがあります。三等分した、ベネトナシュ寄りです。
一方、三等分したデネボラ寄りのあたり、少し船上から外れたところに、メロッテ111があります。
このメロッテ111の少し右側に、彗星があります。
なので、今回は、コルカロリから探します。
コンデジでの撮影も、コルカロリを目印にします。
冬の間、ずっと見ていたメロッテ111でした。たまたまです。とても見慣れた星団です。それを目印にできるとは!
しかもネオワイズが発見される3月より前のことなので、本当にたまたま。急に詳しくなった場所辺りでした。
というのは、しし座のデネボラの、星図では、左側辺りに、おとめ座銀河団というのがあって、そこに星雲星団ががっさりあるようなのですが、双眼鏡では厳しいんです。それを、西はりま天文台の60センチ望遠鏡の方で見られる日を夢見て、メロッテを見ていたのですが。コロナで、あえなく中止に。あ~あ。
それでも、また、来年があるさ。がんばろ。おとめ座銀河団は、逃げないさ。
コンデジで撮影した画像です。
ピンクの矢印をつけてるのがそうです。
画面の左端に、メロッテ111が写ってます。
望遠鏡の接眼レンズの所から、コンデジで撮影した画像。
ぼんやりとしか見えないけど、なんか、嬉しかったです。
周辺に、星がポチポチと入っているので、彗星が、ぼんやりぼやけているのが、よく分かります。
望遠鏡は、ビクセンポラリスR150Sで、50倍になるアイピースをつけています。
これ以上、倍率上げても、そんなにきれいに見えないだろうということで、一番倍率低くしてます。
ちなみに、個の望遠鏡、ファインダーなし、主鏡には、カビのような激しい汚れがあります。
先日、モータードライブを買ったので、カメラを望遠鏡につながずに乗っけて、追尾して撮影はできると思う。
問題は、それほどとれる場所に、自力で運ぶ根性があるかどうかですね。
主鏡を使って、鮮明な映像が見えることは期待してなかったのですが。
そういえば、今、世界の大きな望遠鏡をコンピューターで制御して同期させ、大きな望遠鏡のように使おうという計画があるらしく。
いわば、虫食いの主鏡を使っているというか、主鏡がある部分がわずかで、ほとんどが虫食いなのに、像は作れるわけで。
だったら、コンディションは悪くても、自分の目では見えないものが、汚れた主鏡の望遠鏡でも見えるはずだと思ったんですよ。
見えました。
でも、機材を大事にしている人からしたら、飛んだあきれた人です。
まさか、また使うとは思ってなかったんだもん。
なんか。
ちょっと自信が付きました。
自力で、それなりに観測できるんだなあって。
昔よりも、スキルは上がった。
何故か?
コンデジが、明るさに強くなって、性能が上がったこと。
スマホのアプリで細かい情報が取れるようになったこと。
個人的には、双眼鏡を買ったことで、小回りが利くようになったことですね。
昨日、彗星方向が曇ってから、上空に少し雲がある状態で、夏の大三角をコンデジで撮ってみたら、自分の目には見えない、天の川の星々がきれいに写っていて、感激しました。
また、良く晴れた、月のない夜に、天の川も撮りたいと思います。
昔はね、相当空が良くないと、天体写真は困難でした。
フィルムで撮影するのは、それはそれは、ハードルが高かったのです。
今は、デジカメが暗さに強くなって、世界が変わりました。
初期の頃は、デジカメの画素数が少ないことで、粒子が荒い写真しか取れないから、デジカメはダメだ!と言われていた時期を超えて、今となっては、デジカメが世界を変えましたね。
しかも、デジタルデータを、複数枚、合成することで、ノイズを除くということまでできるようになったようで、しかも個人のパソコンで。
光害だらけの、明るすぎる画像から、きっと、暗い空に輝く彗星が、再現できると思います。
なので、それを信じて、同じ構図のまま、ひたすら撮りまくりました。
きっと、後日、合成をすると思います。まだやり方分かりませんけど。
ハードルが下がったことで、楽しくなった。
入りやすくて、道のりが長い方が、楽しめるのかなあって、ちょっと思います。
そろそろ、彗星観測も、終わりかなあ。