サイボーグ戦士

 昨日、あれもう一昨日ですね。

 ペルセウス流星群を見に西はりま天文台に行こうという目論見は、崩れた。

 というか、すっかり行かないモードに入ってから、母の入院が13日に決まりまして。

 12日には、いつもの病院に行くことになり、その送迎をすることになった。まあ、近いから余裕は余裕。

 午後、また「ひだ玉」をせっせと巻きまして。

 そう、まだハマってるんです。

 これは、世間で言う粘着気質ってやつですかね。放っておいてください。どこまでも、ハマり続けるときははまり続けるねん。

 お迎えがあったので、そこそこの時間に仕事を置いて、でも、母は予定通り介護施設にお泊りのため送り届けまして。

 晩御飯を早く済ませて、8時半には、予定の場所に到着。

 でも、ウロコ雲とか薄雲、(巻積雲、絹雲ですね)が出てて、なんかいまいちの感じ。

 一向に見えません。

 ダメ元で、無線の山に出かけることにした。

 が、最初見つけていたところは、電線があっていまいちで、向きが良い場所を探して、イノシシに遭遇した辺りに上ってきたら、先客が2台ほどいらっしゃいまして。

 カメラを出しておられたので、撮影の邪魔になったかも知れない、私の車のライト。

 これならイノシシ出ても怖くないかもってことで、離れて停まっている2台の中ほどに車を停めて、より農道な感じの道で見ることに。

 粘りましたとも!

 今回の極大は、12日の夜10時ごろだとか。かなり曇ってます。

 前日は、雲が多かったものの、ごくわずかの隙間はクリアで、そこに飛ぶ流れ星を一個見たけど、何かこのすっきりしない感じは、良くない感じ。

 10時までは、とりあえず粘り、いや、月が出る12時までは粘ろうかと考えつつ。

 最初は、折り畳みのイスを出して来た。首がいたい。

 居座ることに決め込んだので、レジャーシートを出して来て、寝転んだ。

 もちろん、ランちゃんのリードを手に持ったまま。こういう時のランは、私が動かないことを心得ているので、自分も快適なところに座って、まったりしているのです。

 もう一台の車から、会話が聞こえてくる。

 お父さんと子供2~3人かな。

 お子さんが、小さいのが流れたのが見えたと言っている。

 見えん。

 お父さん(私よりはるかに若かったので、目も良いはずだ)も、見えなかったと言っているのが聞こえてきた。

 10時半を過ぎたころ、雲が大分退いてきた。

 結果。

 7~8個の、明るい流星を見ました。

 マイナス1等級か、それ以上に明るかったか。かなり大きいのが見えました。

 満足満足。

 で、その間、新たな車が来ては去りしてたのですが。

 親子連れが、何か星の解説を聞いているのが聞こえてくる。

 合流させてもらいました。

 セレストロンという、口径200ミリ、焦点距離2000ミリのシュミットカセグレン式で、赤道儀式の望遠鏡で星を見ているおじさんがいた。

 よくここで観測されているそうだ。やっぱりいいポイントなんやな。

 見せてもらいました。

 口径からすると、適正倍率は200倍だそうで。

 200倍で見ると、土星のわっかのカッシーニの間隙が見える!そして、木星の大赤斑も!

 エエなあ。

 ホンマにシャープに見えてます。

 シーイングの関係で、ぼやけては鮮明に見えを繰り返すのですが、鮮明に見えた時の美しさったら!

 「ここら辺が、射手座、南斗六星も見えてるね。」

 と、おじさんが細い光が出るライトで指して見せてくれた時、そこを流星が!

 反対側の空だけど、とんだ方向からすると、ペルセウス流星群の流星!

 お子ちゃま達が、今度は見てなかった。

 おじさん、お父さん、そして私は、見ていた。ふっふっふ。こういうのは、視力だけでなくて、運ですね。

 なんだかんだけっこう盛り上がった、地元、(多分)無線の山のペルセウス流星群観望でした。

 あ、天頂付近が晴れた時に、さらっと撮ってみた。

 右半分のところに、こと座と白鳥座が写ってます。

 白鳥座の体の方向に沿って、天の川があります。

 それをそのまま南に辿ると、射手座方向へ。

 射手座方向が、銀河中心部。

 私の目では、見えていません。

 双眼鏡で、白鳥座付近を見ると、星々がぎっしりです。

 ああ、なんてきれいなんだろう。

 

 やっぱり、お子ちゃまは、目が良いんだ。

 羨ましい。

 で、ふと思ったんですよ。

 眼鏡で見ても、無限遠にはピントが合ってないんだと思うんですね、私。

 眼鏡は、日常生活のために作られていることもあり、無限遠を求めていないのはもちろん、私の目の限界みたいです。

 ああ。双眼鏡ならもっと見えているのになあ。

 

 前から思っていたんです。

 星を見ている時など、暗い場所での人間の目の瞳孔の直径は、7ミリとして計算されることが多いですが。

 半径X半径X3.14=3.5X3.5X3.14=38.465㎜²

 つまり、一ミリ角の面積39個分くらいの面積で光を通しています。

 が、双眼鏡のレンズは、もっと直径が大きいでしょ。私のは、42㎜なので。

 21X21X3.14=1384.74㎜²

 つまり、36倍の光を集めることができる訳なんです。

 しかも、双眼鏡には、視度調節つまみが付いているので、自分の目に合わせてピント調節ができるんです。

 エエな。

 こういうのと、眼鏡が合体したようなものがあれば、私のダメダメの目でも、もっと見えるやん。

 欲しいな、そういう、サイボーグの目。

 

 お子ちゃまの目の良さに、あらためて、見えることがうらやましくなったのはもちろんですが。

 明らかに私より年配の、セレストロンの持ち主のおじさんが、南斗六星を指し示した時、私の目には、部分しか見えてなかった。

 ああ、ヘタレな目。

 

 で、検索をしてみた。

 あるやん。

 私が欲しいと思ったのは、倍率一倍で、ゴーグルみたいに装着できる奴。

 実際に合ったのは、製品に寄るのですが、1.8倍~2.3倍くらいの双眼鏡。

 スペックに寄るのですが。

 私はより低倍率で広い視野のものが欲しかったのですが、低倍率だからと言って、視野が広い訳ではないんですね。

 レンズのスペックもあるし。

 私が結構好きなメーカービクセンから出ているものは、最短2メートルからピントが合うんですって。星空だけを見るのでなかったら、楽しみは、明らかに広がります。

 そうやんな、キノコ観察や、野球観戦など、相当あれこれ使えますよね。

 レンズのコーティングが良いので、反射が抑えられて視野が明るいんですって。

 メイドイン埼玉で、仕上げがきれいで、やや重めな仕上がりも、高級感を感じるんですって。

 これはこれで、好きな人は絶対いるな。

 が、これは、そこを欲張った分、周辺の星の像が、あまりきれいでないらしく。

 う~ん。物によるけど、今回は、広い視野が重要なので、無限遠だけを追及しているものの方が良い。

 欲張ると、中途半端になる。

 物によると、眼鏡をかけて気軽に、眼鏡だけ、眼鏡と双眼鏡と、くるくると使える物もあって。

 でも、良いなと思ったのは、ワイドビノというもので。倍率2.3倍ながら、周辺の像もきれいなので、倍率の低いのと比べても、視野が割と広くて良いらしい。ただ、接眼レンズに目を近づけるほど広い視野になるので、眼鏡なしの裸眼で、視度調節をして、がっつり見た方が良いんだって。

 これやな。

 しかもこれ、全く縁もゆかりもないところから、装着してゴーグルみたいに使える物が出ているんですって。

 怪しい。

 怪しすぎる。

 アラレちゃんに出てきたよね、こんなキャラクター。

 欲しい。

 星空の下、怪しいゴーグルを装着した、サイボーグ戦士な、とんぼ玉作家。

 明日、眼鏡屋さんに、私の今の眼鏡の調整の強度を確認してみようと思います。

 スペック内で調整できるなら、ワイドビノを。

 無理なら、他の眼鏡の上から使えるハイアイポイントのタイプを選ぶべき。

 というか、すっかり買うモードに入ってますが。

 マッサージチェアを買ったばかりやろ!

 でも、2万円で、降るような星空に会えるねんで!

 

 そうそう、今日は、母を入院させましてね。

 病院が物々しかったのに、ちょっとビビった。うわさは聞いていたけど。

 というか、センセー盆休みなしか。

 助かります。

 前のメインの先生はいなくなってるみたいで、やはり転勤か。3回も世話になったら、4回目はやっぱりないんや。

 今回は、前にサブの先生の方がメインになっていた。知っている人だった。この病院の場合は、全く見知らぬ先生ってパターンも多い中。知っていて下さる先生だと、ちょっと心強いです。

 そうそう、薬剤師さんが、父がお世話になった子で、ホンマにお世話になった。精神安定剤的なのを減らして様子を見てみてくれたので、入院を境にQOLが良くなった気がしたもんな。薬剤師さんは、何人かいる人が、その回によって違う人が担当になるんだけど。

 知っている人に出会うとホッとするよ。

 今回は、コロナの影響で、いつものように一日複数回顔を出して、ご飯を機嫌よく食べているか様子を見るような気軽さはなく。

 時間的には、私は楽ですが、何か、心細そうで可愛そうな気がします。

 よれっとしたおばあちゃんですが、小犬みたいな心細げな目で見られると、アカンのです私。

 ま、明日、処置の付きいに行くので、その時に、ご機嫌伺いをしよう。

 面会は原則禁止で、入退院の付きそいや手術や処置の付きそいの場合も基本は1時間以内とされている中、明日は、処置の時間の後、たぶん説明を聞いて、処置がうまく行ってもダメでそのあとの作戦を考えるにも、遅めのお昼御飯が出ると思うので、1時間以上粘るでしょう。スミマセン。

 と、そんなこんな。

 昨日は、ランを流星群につきあわせて、あまり歩いていないので、今日は、通常の散歩に出ました。

 昨日より空良いやんってことで、双眼鏡をもって。

 歩いていると、空、どんどん良くなってきます。

 暗い箇所に来た時、南斗六星を含む射手座のメインの部分が、私の目でも見えた。

 ああ、良いなあ。それでもちょっと湿気があって、シーイングはそんなに良くないかも。

 結構良い空で、帰るのが名残惜しいなあと思って見ていたら、北の空を低く、右から左へと流れ星。

 あ、ペルセウス流星群の向きやな。

 でも、久しぶりに、M8、M6を双眼鏡で見た。hーχも、アンドロメダ座大星雲も。

 やっぱり、帰るのが惜しいなあと思って、天頂付近の夏の大三角を見ていると、北から天頂を通って南へ、特大の流れ星が流れた。

 明らかにペルセウス流星群の流れ星。

 ホンマに特大。

 去年、西はりま天文台で見たのより、大きかった。というか、人生で最大の大きな立派な流れ星だったかも。

 ああ。

 満足。

 今年のペルセウス流星群は、色んな意味で、おなかいっぱいだった。

 来年こそ、西はりまで、友の会の人たちと一緒に眺めたいです。

 

 やっぱり欲しい、サイボーグの目。

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