さて、この頃、せっせと星を見る場所を探しています。
昨日の晩は、カメラのネジを落としたため、双眼鏡だけをもって、ランちゃんと出動。
で、ふと思ったんです。
光害の程度というのは、星が見られるときでないと確認ができない訳やんね。
曇った夜、感覚的に明るいとかくらいは分かっても、本当のところは分からない。
近くに明るい光源があれば、瞳孔が閉じて、相対的に空を暗いと感じる訳で。
星が見えている夜に、例えば、M8干潟星雲の見え方を比較するというような方法が、一番分かりやすい。
で、探してみた。
無線の山は、陸上競技場のライトで、南側の光害が激しい。
だったら他のところで、ということで、慣れた場所から少しずつ広げていく感じにした。
でも、怖いですね。いろんな意味で。
慣れた場所も、イノシシが出てるんです。出ているとは話に聞くし、実際、野生のユリが掘り返されていて、根っこを食べた形跡を、自分で見ている訳で。
で、出ているかどうかの目安は、「おどしのライト」です。
イノシシが出たと聞いたあたりに、点滅するライトが付けてあります。
そして、見知らぬ場所に行っても、同じようなライトが点滅をしていれば、イノシシの被害があるということなので。
会いたくない!
もっと山の中で観測している人のインスタのコメントでは、クマ注意のエリアだったと書いている人もいたし。クマは、もっと嫌や。
無線の山がいまいちだった南側がもう少しましな場所を見つけました。その代わりこっちは、北側の近いところに、茂みを挟んで街灯がある。
イノシシのおどしのライトが点滅していますが、そのライトは、畦に隠れてちょうど見えない場所がある。
見てみると、隣の町やん。うちの町内も、広いからな。山があるから。
で、最初に、第2候補と思っていた場所は、町内でした。
でもなあ、小野市で、人工の光から遠いところなんてあるのかなあって思う。
下東条小学校校区の外れとか、どうだろう?土地勘がないだけに、怖いですけどね。
さて、心待ちにしている、倍率2.3倍で視度24度の超低倍率双眼鏡ですが。ワイドビノ28というものです。
まだ買ってはいないのですが、リンクを張ったページで、フィルターを付けられるアダプターが、2個セットで3800円に消費税で売られているのを見つけた。
この解説を読んでいると、UHC(ウルトラハイコントラスト)フィルターというものがあるらしい。
他にも、OⅢフィルターやHβフィルターなんてのもあるらしい。
星の光というのは、いろんな波長の光が来ていると思っていたんですけど、特定の波長の光が多いんです。
星の中にたくさんある物質が発する波長が、特にたくさん出ている。
星の中には、水素や酸素が多くて、ヘリウムなんかももちろん多いですが。
Hβというのは、水素が出す486.13nmの光、もしくは赤方偏移によって、少し引き延ばされて波長が長くなったもののことだと思うんです。
OⅢというのは、2価にイオン化された酸素のことらしく、その酸素が発する特徴的な波長、ざっと調べただけではよく分からなかったけど、500nm近傍の波長の光を発するらしい。
で、UHCフィルターは、人口の蛍光灯や白熱電球などの発する光をカットしてしまおうという物らしく、星の発する特徴的な光は、まあまあとおって来る。
これによって、人口の光で白っぽいのがある程度カットできるという物らしい。
HβやOⅢフィルターは、その波長の近傍の波長の光だけを通そうという、狭い帯域の光を通すフィルターらしく、ナローバンドフィルターって書かれている。
実際の売り物の色を見ると、OⅢフィルターは、かなり濃い緑色です。
そんなものがあるんやなあ。
超低倍率双眼鏡に、フィルターのアダプターを付けて、その先にフィルターをセットすると、光害がある程度カットできるだろうという物。
調べてみると、いろんなフィルターが出ていて。
OⅢフィルター、高い!
というか、もっと特殊なものだと、いわば受注生産レベルだろうから、もっともっとお高いらしい。
出た!科学研究あるある。精度が要求される、地味なものが高い!
そうそう、個人のブログで、6年前に書かれたものを見つけました。
LED普及の憂鬱―ノーベル物理学賞受賞は天文趣味にとどめを刺すか?
Fig. 照明用白色LEDのスペクトル
グラフを、1つ、お借りして来ました。
見方は、横軸が波長なんですが。
LPR-Nフィルターというものを使うと、フィルターが通す波長が、白く抜けている部分で、カットして通さなくなってしまうのがグレーで塗られている部分です。
高圧水銀灯の光は「黄緑色」で、蛍光灯が「水色」で、ナトリウム灯が「オレンジ色」です。
この3色は、白く抜けているところにはあんまり入っていなくて、グレーで塗られているところに入っている。
だから、このフィルターで、うまい具合にカットされてしまうようです。
が、問題は、「紫色」のLEDの光です。波長が広い範囲にかかっているので、白いところにも入り込んでいて、このフィルターではカットできないようです。
そんなブログが、6年前に書かれている。
本当に、LEDの無駄に明るい照明は、迷惑です。
星を見るようになったのは、介護が始まってからです。
昼間の時間が自由にならなかったので、夜にランちゃんの散歩に行っていた。
メイクに目覚めた時期でもあったので、日焼け防止にもなるしなあ。
で、曇りの日や雨の日もある訳ですが、時折、ものすごく星がきれいな夜がある。
時折、ぼんやり考え事をして歩いていると、特大の流れ星に出会うこともあった。
知っている星座もあったし、全く見知らぬ星座もあって、ここって何座?とか思って、スマホで星図を探したりしていた。
それにしても、明るいんです。特定の、あの光とあの光とあの光ですよ。
その頃からすでに、気になって仕方がなかった。
何か、ネコのためだったか何だったか、街灯を「ぶち割った」オッサンが、テレビで身勝手だと報道されていたけど、私にもう少し理性がなかったら、一列に並んだ街灯数個の列を、3か所、「ぶち割って」しまいたいです。
防犯や、交通安全のためなら、遠くや上空にまで飛ばす必要はなく。
街灯から街灯までの間をカバーするために、ある程度広い角度に飛ばす必要があったとしても、田んぼの側には、暈のようなもので、来ないようにして欲しい。
ほら、たばこの煙はさ、人の健康に害があるっていうんで、人の空気を汚す権利はないって流れじゃないですか。
まあ、しょせん、天体観測ですよ。
でも、無駄に上空や周辺に「光害」の現況を飛ばすって、ある意味傲慢。
市道を照らすのは良い。
その外はやめて欲しい。
本来なら、権利はないと思います。
絶対、「ぶち割った」オヤジレベルで、変人に思われるんやろうな、この発言。
フィルターでもダメか。
そんなことを思いながら、風呂に入っていて、ふと思い出した。
西はりま天文台の友の会例会だったかで、西はりま天文台の高山研究員の研究報告を思い出した。
月食の光は、「偏光」が届いているんじゃないか?という、昔の人の論文を見て、ちょっとした実験をやってみたよという話。
もしかして、ピンポイントで、陸上競技場の光のような、方向が決まっている光だったら、「偏向フィルター」で、カットできないのかなあ。
偏光フィルターは、写真撮影なんかで一般的に使われる。
街中のショーウィンドウの反射をカットしたり、海面が反射してまぶしいのをカットしたりする。
ポイントは、光源に対して、一定の平面が反射している場合、特定の方向の偏光だけが多く反射することが分かっているので、そっち向きの偏光をカットしてしまおうというもので、反射以外の他の光も、一定は暗くなる。
この偏光フィルターは、青空の青を、より鮮明に出すためにも使われるんだと、死んだお父ちゃんが言うていた。
なぜ?とかまでは、父は、習う機会がなかったから知らなかったけど。
それは、空気中の水蒸気に反射する時、光源と水滴と自分の関係から、邪魔な散乱光は、ガラス表面や水面のような面で反射したのと同じ理屈で。いわば、細分化されたガラスや水面が、空気中に浮かんで、連なっているんだと考えれば良い訳で。
だったら、陸上競技場の光という、ピンポイントの光は、大幅にカットできるんじゃないか?
父が、偏光フィルターを持っていたはず。鍵が掛かったまま鍵を失くしたあの防湿庫に入っていなければ。いや、私も持ってたけど、前のカメラ用だったかもなあ。とかとか。
それの径が合わなかったとしても、何等かチェックできる方法はあるな。
いやいや、偏光フィルターを入れると、画面全体がやっぱり暗くなるけど。
その分、双眼鏡のレンズ径が大きいことで、集光力が大きくなるわけだから、それでカバーできるかもね。
とか。
倍率2倍ではなくて、倍率1倍で、さらに広い星空を見るための双眼鏡を作るのは、難しいもんなのか?
イメージとしたら、フィッシュアイレンズに近い物になれば、周辺の収差が大きくなるわけで、両目で見ていると、収差が気になって仕方ないんだろうかとかとか。
あらぬ妄想が、暴走していきます。
でもなあ。
この世に存在していない、私が欲しい1倍の双眼鏡ですけどね。
本当に、人間の体の限界を補う発想だと思います。
補聴器と一緒です。
とても、「サイボーグ」的な発想です。
昔なら、「サイボーグ009」は、死んでしまった体をよみがえらせるためにサイボーグにしたとか、生きている間にサイボーグにしたけれど、決して人間には戻れないみたいな、どこか哀愁が漂う物だった。
でも、サイボーグの目は、怪しいバットマンみたいに装着して、また外せる。
人の感覚を、拡張できる機材が、実はもっと自由度が高く作れる技術がある時代なんだなあと思う。
今回買ったのは、税込み16500円、送料無料ですが。
もっと、レンズ径を大きくして集光率を上げ、接眼レンズの方に私の目のためにオーダーした乱視の矯正のレンズを入れ、ついでに目の幅も私ように固定してしまい、高度なフィルターを付ければ、フルオーダーのサイボーグの目も、技術的には可能なんやなあって思う。
世間では、GDPを押し上げるために、消費を拡大することに血道をあげ、内容が薄っぺらいパンケーキを、イメージ戦略でイメージだけを盛って、多くの人が欲しがるものを作り上げるのに躍起になっている。
まあ、多くの人は、そういう「雰囲気」を買いたいんやな。
きっと、多くの人には、サイボーグの目は必要ない。
そうそう、ハズキルーペね。
老眼鏡と呼ばずに、ハズキルーペと呼ぶ。飽くまでも、良く見えるためのルーペだから。
しかも、武井咲ちゃんなんかがおしゃれにつけていたら、良い感じ。
あそこでぎりぎりやな。
バットマンにしてしまったものを、どれほどの人が欲しがるだろう?
私は、とても欲しい。
道具物は大好きだ。
そんなとき、自分のオッサン度の高さを、再認識するのでした。
ああ、わくわくしますよね。
本当は、いろんな不可能が可能になる時代なんですよ。
私には、降るような星が見える目がもうないんだなって思ったけど。
そうそう、バードウォッチング用の低倍率双眼鏡なんかもあっても良いですよね。
焦点距離が、無限遠じゃないから、きっとレンズの設計とかが変わって来ます。
本当に、バードウォッチングにも向かないと思った。
見えてないんですよね。
鳥がいることは分かる。
でも、葉陰で暗くて、ぼんやりとシルエットが分かるか分からないかで、それでは、鳥の種類の判別はできない。
近眼の眼鏡をかけても、限界がある。
だから、私には、バードウォッチングは向かないって思った。
そこは、大きな限界だった。
でも。
私の財力で手に入るかどうかは別としても、技術的には可能だって話は、とてもワクワクします。
そういえば、どうせなら、上手くカメラをかませるなりして、映像をスマホなどに送って、鳥の種類判別アプリで、鳥の種類を答えてもらうっていうのも良いかもね。
星空用なら、自分が見ている方向さえ分かれば、自分が見ている向きには何があるのか、分かる訳で。
考え始めると、無駄に高性能な、趣味用おもちゃは、いろいろ実現しうる。
本当に、おもしろい時代になったなあ。
でも、流行るのは、パンケーキで、ハズキルーペやねん。
ちょっと残念。
でも、人の欲望の根源は、集団の中で良いポジションを得て、より良く生きる事な訳で。
サイボーグの目とか、欲しい人は、やっぱり少数派やなあと思う。
ああ、ワクワク。
早く来ないかな。