今日、モーニングショーで取り上げられていました。
ちょっと前に、ニュースで読んだ奴やん。
何でも、SNSで、あるお嬢さんが発信したことが発端。
付き合っている彼氏が、彼女が米をざるで研がずに内釜で研いだのを見て、スボラだと言いだし、周りの友達に吹聴して回った。
そのことに、引っ掛かりを覚えるという物。
まあ、結論から言うと、今時のはやりの言葉で言えば、彼氏のやったことは、立派な「モラハラ(モラルハラスメント)」に当たるでしょう。
で、SNS上でも、そもそもそんな男、他のことでもそうなのは見え見えなので、付き合わない方が良いという意見が多数出ていた。
さて、モーニングショーで、どっち派?って話になりまして。
今日の出演者、オール、内釜で洗う派でした。
羽鳥さんが、出始めの頃の炊飯器では内釜のコーティングが弱く、内釜で研ぐとコーティングを傷つけるということで、推奨されていなかった時期があったんですとちゃんと説明していた。
玉川さんが、「え~?そんな時期あったんですか?」って。
インターナショナルでインテリなお嬢さん石山さんは、「そもそも文化的に、ざるで研ぐことを知らなかった。祖母も母も、代々内釜で研いでいた。」とか。
カワイイ斎藤さんは、「内釜です。ざるを洗うのが手間でめんどくさい。」「傷ついても良いと思います」「そういう彼氏とは付き合いたくないです」と、話の中で、ニコニコ笑いながら答えていた。
ちなみに、メーカーさんによって、色々らしく、今は内釜で研いでも良いけれど、金属の鋭い道具ではやらないで欲しいというのが主流だそうです。
番組内で、鋭い道具ってって話になってましたが。
それって、泡だて器みたいなことでしょう。
さらに言うと、今の精米技術が優れているので、ガシガシ研がなくてよくなったんですが。
それも言ってました。
まだ、私が米を炊いていた時からそうだった。
もっと言えば、無洗米なら、洗わなくてよい。
無洗米なら、洗いの工程が工場なので、とぎ汁による下水の汚染が集約的に一か所で済まされるので、なかなか合理的だと思います。
話は変わりますが。
私は、その彼氏の視野狭窄について、考えていた。
そもそも考えてごらん。
それがいつの時代からだったかは分からないけれど。
昔は、おくどさんで、鉄のお釜で炊いていたはずだ。
時代劇や朝ドラで出てきますが。
この時には、お釜の中で「研いで」いたんですよね。
もちろん、内釜が傷つくわけではない。
次の時代は、ガス炊飯器。
内釜は、ウチは、無垢のアルミ製でした。コーティングはなし。
その次の時代、電気炊飯器になってから、コーティングが登場する。
そして、コーティングが丈夫になって行く。
コーティングが弱かった時代、まだ、精米技術は今よりも進んでいなかったので、「研いで」いました。
研がないと、炊きあがったご飯の粒粒の周りに、緩いでんぷん糊みたいなものがまとわりつく。
この時、コーティングを傷つけると、せっかくつるっと米が内側からはがれるはずが、内釜にくっついちゃう。もちろん、その前の時代の鉄のお釜やアルミのお釜には、米がこびりついているのが標準でした、
そういう変遷の、ごく一部しか知らないのに、彼氏とやらは、その極一時期の習慣を、世界のすべてだと思っているんだなあ。
なんか、世界観が薄っぺらいんやわ。
ちなみに、兼業農家だった名残で、我が家には、玄米の30キロ袋をたくさん積み上げることができる米用冷蔵庫があります。
亡くなった父の趣味です。
今、町内の人が作った米を買っていて、玄米が数袋積み上がっていますが、中身はガラガラです。
いつのか分からないおそうめんの箱と、ランちゃんのドライフードと、私の草木染のに出した汁をペットボトルに入れたものが入っています。
玄米で保存をしておく方が、表面からの酸化が起こりにくく。
理想的には、コメの冷蔵庫で玄米として保存して置き、精米してから時間が経っていないものを炊く。
精米技術が発達しているので研ぐ必要はない。
洗う際には、最初に入れる水は、おいしい水が良く、ざっと2回転ほどかき混ぜた後に、素早く捨ててしまう。
最初の水をたくさん吸うので、ここでコテコテと研ぎ始めると、ぬか臭いにおいを吸うことになる。
後は、軽く研ぐというか洗う工程が2回ほど。
給水のためのおいしい水を入れて、冷蔵庫で給水させる。
が、炊飯器によっては、この時間が炊飯工程に入っていることもあるので、炊飯器の取説に従う。
というのが、おいしいコメの炊き方なんだけど。
そもそも、最初においしい水を使ったところで、元の米が酸化してたら、まずいと思う。
米の収穫で、うちの父が失敗してしまったことがあった。
稲刈りの最中に、コンバインが故障してしまった。
タンクの中に、刈り取った米が長時間置かれてしまった。
それによって、湿気た状態で、余分な時間おかれてしまったことになる。
これだけを別に抜いてしまえばよかったんだけど。
その上から収穫したものと混ざってしまった。
その年の米は、混ざったものに関しては、等級外となった。
米に、ウェルシュ菌だったかが繁殖し、茶色のまるいシミのようなものが、玄米の段階でついている。
これを、検査の際に見つけられて、等級外となった。
通常なら、刈り取って、各農家ごとに持っている乾燥機に入れるか、JAなどが持っている穀物エレベーターに運び、速やかに乾燥工程に入る。
家庭科で、米の水分が十何パーセントって習ったんだけど、その時にもともとの米がそうだと言わんばかりの先生の言葉に、心の中で突っ込んだ。
それはなあ、メーターで何度も測りながら、基準値内まで農家が乾かしとるんや。乾き過ぎたら米が割れ、乾いてなかったら等級外になるから。
そうそう。
その等級外になってしまったお米の話を、JAの詳しい人に聞きに行った。
なぜなら、たくさんあるお米を親せきなどに買ってもらう際に、食味がまずいと、それを説明しておかないといけないと律儀に考えたから。
JAの検査担当の人によると、ウェルシュ菌が付いたものは、冷蔵庫に入れずに夏を越すと食味が落ちるんだと説明を受けた。
なら、この辺の米は、夏を超えずに食べてもらったら、何の問題もない事になる。
と、がっくりとする父を横目に、JAに走ったことを思い出したわ。
ざるで洗ったら、ざるの目に米が引っかかって、米に傷がつくからいやだと、そういえば誰かが言っていたなあ。
確かに、お釜は平面で、米に当たる力が分散されるけど、金属製のざるだと、局所的に力が入ると考えることもできる。
今となっては、研ぐ必要自体がないから、そんな心配すらもう古い。
やっぱり、モラハラ彼氏の不見識へのチェックが、多数入ってしまう私なのでした。
そして時代はさらに進み。
そもそも、米炊いてない。
母が好きで、週一で巻きずしを4切れ買う。
で、週一で、巻きずしを2切れ食べる。
私が食べる米のすべてが、これだけです。
ああ、遠い話になったなあ。
おいしいコメへのこだわり。