「トリチウム」について、ちょっとだけマジメに調べたよ

 最近、福島第一原発の廃炉作業で、たまり続けている汚染水、または処理水の中に含まれるという「トリチウム」に関して、まじめに調べてみた。

 「トリチウム」と聞いて、ああ、二重水素だなっていうのは、すぐ思ったんだけど。そんなに詳しくは知らなかったもので。

 っていうか。

 放射性物質なんです。それは、テレビで言うてたから、分かるやん。

 そこを、吉村市長が、「安定的」って表現を使ったことに、ものすごく抵抗を覚えて、そんなわけないやろ!って、反発を感じたっていうのも大きい。

 

 基本、痛い感じで厳密なリケジョ崩れなんです。私。

 自分自身は、そんなに環境にやさしい暮らしはしていないし、再生可能な生活もしていないと思っている。そもそも、バーナーワークを続けること自体、エアコンを使って暮らしていること自体、二酸化炭素を増やす行為だと思っている。

 グレタさんに、怒られることは間違いない。

 あ、その話も、ちょっと書きたくなってきましたが。

 まずは、「トリチウム」について。

 

 「トリチウム」は、「水素」です。

 水素は、原子核の中に、「陽子」が一個あって、イオン化しない時は、陽子と釣り合うように、「電子」を、一個持った物質です。

 電子一個を失って、プラスイオンになったときは、プラス1の電荷をもちます。

ただ、普通の水素は、「原子核」に、陽子1個と中性子0個を持つのに対して、陽子1個と中性子2個を持つ。中性子は、化学的な結合で化合物を作る時には特に影響はないので、化学結合としては、水素で。でもちょっと重たい。

 まあ言うたら、「水素」として、いろんなところに入り込む。

 水素化合物の中には、普通の水素が大半だけど、中に一定割合で、ちょっと重たい(水素の約3倍くらいの重さの)二重水素が含まれているというものです。

 なので、水は、H₂Oなので、2個の水素と1個の酸素でできているので、水の中に入っていて、その中から取り除けないんですよね。

 例えば、プロパンガスの中には、C₃H₈なので、8個。だからプロパンガスの中の水素の内、一定割合で、トリチウムが含まれている。

 炭水化物だと、オリーブオイルの中にたくさん入っている脂肪酸の、オレイン酸で、C1834 なので、34個、リノール酸で、C1832なので、32個、健康にいいあふふぁリノレン酸で、C₁₈H₃₀ なので、30個。

 炭水化物って、その名の通り、炭素と水素の化合物なので、でんぷんやお砂糖の中にも、普通に入っているし、たんぱく質の中にも入っている。

 水素は、宇宙では、とっても多い物質なので、そりゃもう、どこにでもあって、色んな化合物に含まれていて、その中に一定割合で、トリチウムが含まれている。

 のでした。

 だから、水として体に入ったものは、すぐに出て行くと言っているけど、お魚を食べたときに、お魚として、たんぱく質や脂肪の中に、普通に一定割合含まれることになって、そうして取り込まれたものは、体の中に残る。

 そういうものです。

 そのトリチウムの比率が増えることは、「それほど影響がないこと」なのかどうかは、科学的にはまだわかっていないというのが、本当は正しいようだ。

 まじめに調べたのさ。

 

 

 さて、「トリチウム」ですが。

 放射性元素で、半減期が、12.32年だそうで。

 12年と3ヶ月と、26日の間に、半数が、「ベータ崩壊」を起こして、中性子が1個のヘリウムに変化し、トリチウム自体は、個数が半分に減る。

 24年と7ヶ月と、21日で、さらに減るので、元の数の4分の1になり。

 と、半減期ごとに、半分に数が減る。

 12年の半減期は、もっともと長い物と比べると、比較的、短いよね。

 成層圏で、自然に作られているけど、半減期で減るので、自然界では、一定割合を保っていて、そんなに濃度が増えない物質として、昔から存在している。

 ただ、水爆実験をしていた頃には、ぐんと増えて、場所によって、濃度にムラがあるので、凄く濃い場所や、凄く濃い時期なんかも歴史的に会って、水爆実験で増えた影響は、近年、やっとなくなって来たそうだ。

 一方で、原発なんかでできたものが垂れ流されている分、本来の自然の状態より、部分的には、濃い部分が存在しているらしい。

 当然、福島第一から、希釈して捨てても、そのムラは残るよね。

 16分の一くらいになるには、49.28年待たないといけないことになる。

 

 さて、このトリチウムの放射能ですが。

 「ベータ崩壊」を起こす。

 起こっていることは、トリチウムから、電子一個と、反電子ニュートリノを一個と、ヘリウム(原子核に、中性子が1個しかない、同位体のヘリウム)が、作られる。

 ベータ崩壊では、放出される電子のエネルギーが、一種類と決まってなくて、小さいのから大きいのまであって、平均の運動エネルギーが、5.7 keV という数値らしい。

 この値は、結構エネルギーとしては小さいらしい。

 ちなみにニュートリノは、人間の体はほとんど貫通しちゃうので、ニュートリノで害が出ることはないはず。

 一方、ヘリウムも、希ガスなので、何とも化合しないで揮発するはず。

 じゃ、この低いエネルギーを持った電子はどうなるのか?

 人間の体の外で、ベータ崩壊が起こった場合、エネルギーが低すぎて、皮膚を貫通できないので、ほぼ問題はないんだって。そこは信じていいと思う。

 じゃ、体の中にとどまった物質に入っているのはどうなの?って話です。

 それに、今朝の番組で言うてはったのは。

 人間のDNAにも、水素はたくさん含まれていて、その一定割合で、トリチウムも入っていて、さっきまで水素だと思っていたものが、急にヘリウムに変わったら、結合が切れちゃう。

 DNAが壊れてしまうことになる。

 そういうことが、ぽつりぽつりと起こると、さすがに、細胞1個2個というようには、壊れてしまうはずで。

 壊れるっていうのは、細胞自体が死ぬのか?、エラー情報を持っているので、がん化するのか?、数が少なければ、細胞自体が死んだ方が、まだましな気がするけど、どうなんでしょうかね。

 細胞レベルでの実験では、(ヘリウムに変わったからなのか、電子がぶつかったからなのかは分からないけど)ベータ崩壊によって、細胞は死んでいるらしく。

 それが、どの細胞が、どのくらいの数なのか?によって、結構影響が少ないのか、意外と、ダメージになるのかが、変わってくるはずだ。

 「希釈して」と言っているのは、まさにそこだと思う。

 希釈しない水の中を、長期間、泳ぎまわった魚を食べても大丈夫なのか?っていうと、きっとそれなりに影響はあるはずだと思う。たんぱく質や脂肪にトリチウムが含まれていて、それを栄養として取り込んだら、人間の体を構成する物質にトリチウムが含まれて、そのトリチウムがベータ崩壊を起こすっていうことだから。

 地球規模で見て、原発由来のトリチウムが、原発がなかったころよりは濃度が濃い状態が、ずっと続いているって、うれしいことではないよね。

 12.32年で半分に減ると言っても、原発が動き続ける限り、増えては減って、原発がなくて成層圏で作られているものだけと比べて、常に多い状態な訳ですから。

 すごく高濃度のトリチウムの内部被ばくによって、亡くなった例は、2例あるんですって。これは、塗料を扱う会社で働く人とか、特別な例だということなんだけど。

 塗料って、光るんでしょうね。

 電子が出て、その電子が、蛍光塗料とかに当たると、電子のエネルギーで、「励起」が起こり、励起した電子が元のエネルギーの軌道に戻る時に、電磁波を出すので、光る。

 その塗料が光るのを、ああきれいだねって見ている分には、電子が飛んできても、皮膚表面で止まるので、体温高くなった?っていうのも感じないくらいの影響しかないはずなんだけど。

 その塗料に含まれるトリチウムが体に取り込まれてしまったら、内部被ばくによって、死んでしまったと。

 ホンマに、発電を続けて、作り続けること自体は、良いこととは思えない。

 実際、体のあちこちで、一定数ベータ崩壊は起こり続けていて、それでも急に死んだりはしない訳で。

 その数が増した時、どうなん?って、正確には、分かってはいない。

 自然界にもともと存在したものよりは、水爆実験以降、原発以降では、何倍かに増えている訳で。

 その数十年の間に、人に何か影響があったとしても、まじめに調べないと、因果関係は、ちゃんと言えないから。

 ホンマのところ、全然影響がないかどうかなんて、「分からない」というのが、正確な表現だし。

 科学的に?化学的に?、安定か?と言われたら、放射性物質が安定な訳がない。(ベータ崩壊という意味では、物理的には不安定で、水素だったものがヘリウムに代わるという意味では、化学的に不安定、つまり、どちらの科学的にも、不安定なんだと思うんですよ)

 言葉を正確に使うという意味では、放射性物質である以上、「不安定」と呼ぶのが正しく。

 数の上で、一定の数量で、平衡がほぼ保たれていると表現するのが正しいんじゃないだろうか?

 その平衡のレベルが、全く影響がないかどうかは、本当のところは不明。

 急に、目の前で亡くなったりはしない。それだけの事。

 みんな捨てているから、うちもって、なんかね。

 正常性バイアスなんだと思う。

 大騒ぎするレベルか?といわれると、分からない。

 だったら、50年くらい、貯めておいて、放出してはどうか?(16分の1になるまで、置いておくっていう意味で)

 濃度がどのくらいかという数値が発表されないのも、なんだかね。

 基準値というのは、成層圏で自然に作られたレベルだった時代の、何倍くらい?

そのくらいは、聞かせて欲しいもんだと思う。

 

 と、大学で、物理学の端っこをかじった私が、ネットで調べたら、このくらいは分かる。

 でもな。

 吉村市長。

 安定的って表現を使っている時点で。

 ああ、全然わかってはれへんけど、なんか言いくるめられているんやなって、ちょっと思ってしまうんです。

 物事を決断する人が、このくらいの知識で良いでしょうかね。

 もうちょっと、初歩の物理学、高校生が分かるレベルくらいは、勉強しておいてほしい。

 さらに、希釈して放出する意味合いを考えると、希釈した後、さらに海の中にまんべんなく広がって、濃度が下がることを期待していることは間違いなくて。

 それを考えると、放出するのに、部分的に濃度が高まって淀んだままになってしまいかねない、内海の大阪湾が、そんなに適した場所だとは到底思えない。感情を抜きにして、純粋に理論的に考えてみても。

 本当に大丈夫か?というと、ホンマに、内海は予測がつかない。科学では、そこまで分かってはいない。そのリスクに蓋をするのは、化学的な態度とは言えないと思うんだ。

 大丈夫でしょうかね、吉村市長。良い人過ぎやで。

 物事を決める人は、もっと懐疑的で、批判的な部分を持っていないといけないんじゃないのか?

 日本の教育って、この程度なんやなって思うと。

 何のために、日々の飯ダネにならない科学なんかを学ぶのか?って言われたら、まさにこういうところで、自分のことを自分で決めるために、自分で考えるためだと思うんだけど。

 まあ、そんなことを言い出す人は、「ヘンコ」だと思われるし、浮く。

 知ってる。

 浮くんですよ。

 しかも、懐疑的だったり、批判的だったりすると、感じが悪くて、良い人ではいられなくて、敬遠されるんです。

 でもな。

 気になるねん。

 何でって。

 きっと私たちは、その影響が出る前に、寿命が尽きる。

 ちょっとだけ、甥姪や、その子孫に影響あるんかな?って思うと、気になる。

 いや、知っているよその子と、その子孫のことも。

 まじめな気持ちからなんですけどね。

 浮くんですよ、ヘンコなもんで。

 

 いや~、ブログで、こんなこと書いてたら、また変な奴って思われる。

 ビューラー使ったら、49年間一重だったのが、二重になったんです、整形もアイプチもなしで!とか。

 ゆる糖質制限で、16キロ痩せて、5キロリバウンド中(おい!)とか。

 そんなこと書いている方が、きっと世間の受けは良い。

 いや、ゆる糖質制限も、やってますというと、変な人扱いされるもんね。

 やってなかったら、高血圧と動脈硬化と中性脂肪と肥満で、血液検査も全身もぼろぼろのバアサンまっしぐらで、頭も働かず、お肌もぼろぼろで、悲惨なことになっていると思うんですけどね。

 

 私、ベータ崩壊の影響は、電子が体の組織のどこかにぶつかって障害が起きることしかイメージになかったけど、水素だったものが、急にヘリウムになって、科学的な結合が壊れて、体のどこかの分子が壊れるなんて影響は、考えてなかった。

 今朝の番組で、がん専門のお医者さんが言うまで、気づかなかった。

 ただ、他の局面で、そのお医者さん、その発想は、ちょっと科学的でないんだけどっていう発言をしていたので、それはちょっと、と、心の中でツっこんでしまった。

 いつも思う。

 まじめに科学的であるってことは、きっと、物事の影響を、過小にも過大にも評価してしまってはいけないんだって。

 分からないことを、分からないという。

 私は、そういう人が好きだ。

 北播磨の先生でも、そういう表現をした人がいた。

 そういう人の方が、好感度は高いし、信用に値するって思うんだ。

 

 以上でした。

 お粗末でした。

 

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