スイーツの味

 ここのところ、立て続けに、とあるスイーツ屋さんのケーキを買った。

 いつも行くところがお休みだったため。

 いつも行くところ、「アベニュー・ド・ラベ」は、知り合いのお店だから。

 

 基本的に、何かと安物で済ませるところがあるので、あまりあちこちのスイーツは食べたことがなく、こだわりもないと思っていたので、知り合いの店に行くようになりましてね。

 私の中では、スイーツの基準がここで決まった。

 他をほとんど知らないから。

 いつもおいしいと思っていた。

 プロの作るスイーツなんだから、まあ、どこもこのくらいのクオリティなんだろうと、ぼんやり考えていた。

 

 違った。

 他のを食べる度に。

 一店ずつ、「不合格」の店が増えて行った。

 多分、小野市内では、ここのが、私的には一番おいしいと思う。

 そこに匹敵するくらい、おいしかったと思ったのは、あと1店だけ。

 他は、物足りないところが、1店、味が雑くて、コンビニの方がおいしいくらいでは?と思ったのが、今のところ、2店。

 以前からおいしくないと思っていたところが、1店。

 営業の日数が少なすぎて、そういえば、あったなあというお店もある。

 お隣の市のスイーツ屋さんも、いまいちだった。

 というわけで、近隣のスイーツ屋さんで、不合格が、5店。

 そうか。

 こだわり、強かったんや、スイーツでも。

 それほど味にはうるさくないと思っていたけど、それは、生育環境が、田舎で庶民だったからにすぎず。

 プロという人が作ったものに期待値が大きい分だけ、残念感もついて回り。

 

 あまりの残念さに、食べログの星の数をチェックしてしまったけど。

 あきれたことに、私の中で、かなりランキング的に、ランキング外の印象があるお店が、「アベニュー・ド・ラペ」より星が多い。

 どゆこと?

 

 そういえば、かつての男性の生徒さんが、市内のケーキ屋さんの中では、「アベニュー・ド・ラペ」のモンブランが、一番うまい、自分の誕生日は、それに決めているというてはったなあ。

 食べてみた。

 ラペの奥さんが、「栗好きの人には、物足りんかもしれへんわ」と、言いながら渡してくれた。

 確かに、栗と砂糖しか入ってない「栗きんとん」と比較すると、ガツンと栗感では、負けるかも知れない。

 でも、よその栗スイーツを食べると、あらためて気づく。

 ここのはうまい。

 栗の味がちゃんとする。

 ほのかな、洋酒の香りがする。

 他所の残念な栗スイーツを食べてしまうと、無性に食べたくなって来た。

 

 知り合いのよしみで、インスタをフォローしている。

 で、思った。

 原価率高い。

 ラペさんのは、素材の味がちゃんとする。

 洋酒とかでも、使い方が繊細だ。

 

 もともと、鼻が良いんです、私。

 舌は分からない。

 でも、母の腎臓病食や、私の糖質制限の関係で、かなり薄味で十分味を感じるので、多分、バカ舌じゃないと思う。

 他所で、不合格を出すのはなぜなのか?

 一つは、素材の味がしないこと。

 あと、油脂関係で、安物の味がすること。

 ぼやけて、何の味を出したいのか、分からへんこと。

 なのに、なぜだ?

 ラペさんのより、食べログで、ほんのわずかに上なのは。

 まあ、世の中って、そんな風にできているんだな。

 

 私自身も、安物食べて暮らしているけど。

 スーパーでも、コンビニでも、がっさがさと、山盛り置いてあるのは、食材として、中身が安物なものだったりする訳で。

 世の中、それで回っているということは、それでエエんやなってことな訳で。

 精製されつくした粉と砂糖と油とふくらし粉でできたパンケーキに、フレーバーだけ付けたものが、幅を利かせている、そういう価値観の世界なんやなあ。

 

 ゲン直しに、明日、ラペさんに、新作のイチジクのスイーツ、買いに行こ。

 

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