さて、この頃めっきり、ワンパターン化してきた書き出しです。
検査しろ女でございます。
昨日の私のブログで書いていた、越智小枝さんのブログに、「何でやねん!」と複数個所ツッコミを入れながら、考えが暴走していきました。
作為的に考えようとする瞬間もあるけれど、一気に、言語化されていろんな考えが噴出してきます。
と、ここら辺の脳の働きって、こうかしらって書こうとして止めました。長くなるので、また、機会があれば。エビデンスはないですけどね。
検査、実験、観測。
出た事実を記録する場合もあるのですが、物理学で、何かを測定する時には、「何を確認したいのか?」というテーマがあります。
まあ、学生の頃聞いた話ですので、自分が専門的にやっていたわけでは全然ないのですが。
「カミオカンデ」を例にとると。
もともと、私たちの太陽が活動する時に、理論上「ニュートリノ」という素粒子が出ているはずだということで、これを観測しようと考えたのです。
カミオカンデには、大量の「純水」が貯められています。太陽から出たニュートリノが地球にやって来て、多くが地球自体を通り抜けて行ってしまいますが、確率の問題で、経路の真ん前に、たまたま岩石の原子核があったり、水の原子核があったりすると、まあぶつかる訳ですね。
なんで水かというと、岩にぶつかったものって、外から見ても分からない。
大量の水があって、水分子には、水素原子と酸素原子の原子核があって。これの原子核がたまたまニュートリノの経路上にあるという極めて低い確率のことが起こると、ぶつかって、なんか素粒子ってこういう反応するのっていう理論の元、「チェレンコフ光」という光が出て。その光が透明な水を通ってどっちかに飛んでいく。
カミオカンデの周囲には、「光電子増倍管」がとてもたくさんびっしりと張り巡らされているので、そのどれかに「チェレンコフ光」が飛び込むと、中では、「光電効果」を利用して増幅し、「光が一個飛び込んできたよ」って、観測されるわけです。
なんで神岡鉱山の地下深くに作ったかというと、他の現象による光を遮断するには、このくらい深いところでないと、いろんなエネルギーを持った光がノイズとして入り込んでしまうからです。
あ、でね、この論点の大事なところは。
「カミオカンデ」は、私たちの太陽が出している「ニュートリノ」を観測しようとして作られたんだったと思います。
ところが、カミオカンデが太陽からのニュートリノを待っている間に、1987年だったようですが、大マゼラン雲で、超新星爆発が起こった。
その超新星爆発で飛び出したニュートリノが地球にもやって来て(多くは通り抜け)、超新星爆発に気付いてから、過去の観測結果を確認したら、太陽から観測されるよりもはるかに多くのニュートリノを、何秒というわずかな時間に観測できていた。
カミオカンデが観測したかったものは、太陽からのニュートリノで、それを受け取れるように設計されていた。
副産物として、超新星爆発のニュートリノが観測されたのですが。
まあ、観測というのは、それを観測することが何の意味があるのかは分からないけれど、地道に記録し続けたら、のちに出来てきた理論を裏付けることに役立つ場合もあれば、明確な目的があってそれを観測する方法を一から頭を絞って考えて(もちろん慣らし運転的にノイズの除去は最初にやります)観測をする場合もあれば、他のものを狙っていたのに副産物として他のものが観測できてしまった場合もある訳ですが。
特に、今回の新型コロナの場合には、この検査は、何のためにやって、何に役立てるのか?という目的が、とても大事になると思う。
平時ではなくて、非常時だから。
もちろん、科学的な意味合いで、知りたいこと考えると、いろいろ知りたくはあるのですが、急ぐことは何?という優先順位の高い物を狙って知りたいんですよね。
それが、例え、抗体検査に限界はあっても。
もちろん、粗悪なキットが出回っているのなら、出来ればそうでないものを最初に選別する必要があるし、予備的に精度を確認しておきたい部分はある。
今なら、許されるものなら、PCR検査をしている人のうち一定数の人の血液を貰って、抗体検査をする。
厳密にするなら、「陽性で症状が出た人」「陽性で症状が出ていない人」「陰性の人」に分けて、抗体検査の結果と比較する。
PCR検査は、偽陰性が出やすく、偽陽性が出にくいということなので。
PCR陽性の人をどれだけ陽性と判定できたか、越智さんのブログも書かれている、「感度」を、おおよそ知ることができる。
一方で、PCR陰性と出ている人が、どれだけ陰性と判定するかに関しては、陰性の中に、一定数陽性の人が本当は混ざっているはずなので、一定数は抗体検査で陽性、それ以外は陰性と出るはずで。PCRを信じるならば、多くが陰性と出て、PCRで拾いきれていなかったけれど抗体検査が陽性と出た人が少ない(この場合IgMの方ですね)と出れば、ほぼ、PCRと似た結果が得られるということになる。
まあ、急場なので、ここまで確認はムリかなあ。
PCRとの組み合わせで、信頼性の高い抗体検査のキットが見つかっていれば、この信頼性の高い抗体検査キットと、他のメーカーだったり他の流通ルートの(保存方法が違う)検査キットだったり精度を知りたいキットを一緒に使って比較することで、信頼性を確認したい検査キットの精度の判定に使える。
最も、劣化が進みやすい物のようなので、時々にチェックは必要なはずですが。抗原と同じものを人工的に作れるなら、もっと個々の精度の確認はしやすくなるんだけどなあ。
あ、またまた、脱線しようとしていますが。
そうそう。本題です。
抗体検査キットで、何を知りたいか?なのです。
もちろん、一つは、その人自身が、感染しているかしていないかです。
もう一つは、市中感染率。
これが分かれば、何に生かせるか?
一つは、感染が広がっていて危険なエリアか、まだまだそんなに広がっていないか、その真ん中か、それを元に、どのくらい用心したら良いのか?を決めるのに使えます。
もう一つは、医療に今どのくらい負担がかかっているかは、医療に携わられている方が、目の前の事実として感じておられるわけですが。
この今の負担の状態は、市中感染率がまだまだ低いのにこんなに負担が、なのか、無症状の人がいるので実はある程度市中感染率は高くなってきているので、あと一頑張りなのか、一通りかかっているようなので、かなり終息に向かっているのか?
そういう、これからどのくらいの負担が増えて行きそうかを、予測できるんですよね。
もちろん一人一人の結果の精度が高いに越したことはなく、一人一人の結果も、治療や行動を自粛するための材料に出来ればいい。
一方で、大きな傾向を掴むための疫学調査であれば、精度がある程度でなくても、やる意味は大きいはずなんです。
ただ、あまりにも絶望的な結果が出た場合、その結果が公開されるかどうかは分からないなあと思いつつ。
先日のNHKスペシャルに出られていた尾身さんは、今の感染拡大モデルを使った予測が正しい(に違いない)というスタンスで話されていて。
そのスタンスは、検証されたからなのか?感染拡大モデルに修正が入れられなければならない可能性を考えておられるのか?みたいなところが見えてこなかったことで、見ていて、返って不安になってしまった。
知りたいものによって、精度が低くても有効なものというのはあるんです。
今、何を、何のために知りたいのか?
それがあってこその観測だし、検査だと思います。
越智小枝さんは、常に、患者さんお一人に関してその人のために精度を上げることを目指しておられる。
でも、目的は、その一つだけではない。
そして、一人の人の命を救うことは、いつも最終的な目的であるべきですが。
そのためには、もっと俯瞰して見て、感染全体がどうなっているのか?を知ることで、その大切な「一人一人」の大きな塊としての「全体」のために、より良い結果が欲しいんです。
この言葉が適切かどうかは分からないですが。
「木を見て森を見ず」って感じの視点かなあって、思った。
なんで、そんなに抗体検査を見下すんやろう?
使える物は、何でも使う。しかも、どういう仕組みでどこまで精度が出て、それはどこにどう使えるのか?
非常時だからこそ、未知のものに向かい合っているからこそ、そういう考え方って、大事じゃないのかなあって思うんですよ。
私の文章も、論点ズレてたりするんやろか?
気付いたら、修正します。
で、こんな素人が何を書いてるねん?
ですけどね。
プロフェッショナルは、きっと忙しい。
素人が書くことも、一定の意味はあるんじゃないかって、思って書いています。