正しい事って?

 自称科学信奉者です。

 科学は、世界を読み解く手段の一つではあるんだけど、じゃあ、なぜ私はそれを信じているんだろうか?

 あ、その前に、ちょっと前になるんですが、こんな記事を見つけました。

コロナ不安で「権威に従い、他人を叩きたがる人」が増えた深い理由

 深い!

 しかも、私の最近のマイブームと、一致している。

 中に、こんなことが書かれている。

──しかし、感染症の脅威や、それに対処しようとする行動免疫システムは、ヒトを人種差別主義者にするだけではない。体制順応主義者(comformist)にも変えてしまうのである。

 怖い!危ない!と思うと、何かようわからんけど、偉い人にしっかりとくっついて行こう!って、考えるってことですね。

 あいつは敵や!と言われたら、みんなで一斉に、「あっち行け!」ってなるってことですね。

 さらに。

──しかし一方で、逆説的であるが、「理由がよく分からずとも従う」ことこそが、人類が進化させた文化的知性の核心でもあるのだ。

 なんで、偉い人について行ったら安心やねん?って、問われると、「いや~何となく、直感で」っていう感じでしょうか。

 最近私が大好きなネタ、クロマニョン人とネアンデルタール人の話です。

 クロマニョン人は、アフリカで生まれたので、アフリカの黒人は、遺伝的には、生粋のクロマニョン人の子孫と考えられています。

 教科書では、クロマニョン人は、ヨーロッパ人の顔に書いてあったけどなあ。

 アフリカを出たクロマニョン人は、ヨーロッパの北方に当たる地域で暮らしていたネアンデルタール人と遭遇し、混血が起こります。

 で、どこかの時点で、ヨーロッパの白人とアジアの人々に分かれ、その先に北アメリカ大陸から南アメリカ大陸まで言ったグループがいる。

 アフリカの黒人以外は、実は、ネアンデルタール人の遺伝子を、2~4%持っているそうだ。

 実は、ネアンデルタール人との混血は、一回ではなかったらしく、ヨーロッパ人とアジア人で比較すると、持っているネアンデルタール人の遺伝子に違いがあるらしいなど、何やら、色々分かって来ているそうですよ。

 あ、また逸れた。

 

 そう、このネアンデルタール人は、大きな群れを作らず家族単位で暮らし、寒い地域に順応していたので、色白で、金髪碧眼、体が大きく力自慢で、あまり複雑な武器を持たずに、力技で狩りをしていた。

 一方で、クロマニョン人は、そこまで体は大きくなく、大きな群れを作って暮らしていた。矢じりから、槍へと武器を発達させ、集団で戦略的に狩りを行っていた。

 氷河期によると考えられる環境の変化を、ネアンデルタール人は乗り越えられず、多くは滅び、クロマニョン人は、集団で狩りをすることが幸いして、生き延びた。その中にには、一部、ネアンデルタール人の遺伝子を残した。

 このクロマニョン人の集団は、祭事を行い、神秘体験を共有することにより、集団内部での争いを回避し、結束を強めたと考えられているらしい。

 これを、NHKスペシャルの「人類」っていうシリーズの第3回で見た時、何かいろんな疑問が、氷解したのでした。

 

 生き物である以上、生き延びたい、良く生きたい、有利に増えたいと願う。

 クロマニョン人の生き残り戦略が、集団で協力することであり、集団での争いを回避するために宗教が利用されたのなら。

 科学の前に、宗教があったんやな。

 いやいや、矢じりや槍を作るところは、いわば、科学の走りやけどな。

 つまり、人が生き残るという最大の動機のためには、その目的が達せられることが善なので、別に理由付けが、非科学的かどうかは、どうでも良い訳や。

 ただ、その時に、集団に従う大半のものと、念のために、従わないヘンコを、常に神様は用意しておく。

 どっちが生き残るか分からない。

 集団が生き残ることの方が有利だけれど、ヘンコは、万が一の時の保険なんやな。

 今は、科学という手段があって、宗教が主な手段だったところに、新たな手法が加わった訳で。

 

 で、最初の問いに戻る。

 何で、私が科学信奉者なのか?

 それは。

 幼少期に、先生から正しい事として教えられたからで、科学で説明されることが実際の世界を良く表していると感じられることで、さらに確信を深めたからだ。

 ま、やっぱり私も、これが正しいねん!と、教えられることに従うんやな。

 

 コロナで、世間がわさわさしていると、余計にそういう物を感じる。

 「検査すべきでない論」は、科学的に、ツッコミどころ満載で、ヘンテコなんだけど、これを信じる奴のアタマ大丈夫?って思うくらい、私からしたら変なんだけど。

 何でこの人たちは、頑なに信じるんだろう?って、不思議だったんですよ。

 それで合点が行った。

 

 以前にも書いたけど、自分自身がアクが強い事を、迷惑をかけないようにそれなりの形で世間にアダプトするから許してくれ!って思っていたわけで、自分を認めろというからには、違った個性で、それを変えられない人のありようも認めないと、一貫性がない事になるんやなあって、やっと気づいたこと。まあ、早い人は、若いころに、とっくに気付いている。

 そういう意味では、検査すべきでない論の人が、非科学的なことを信じるのも、良しとしなくてはいけないことになる。

 でもな。

 感染どうするん?

 って言ったときに、戦略的に抑え込みたいから、検査に血道を上げたいんですっていう考えと、検査しないことで感染を抑えられてきたからこれからも検査しないって考え方って、一緒には行けないんですよね。

 ことが感染でなかったらね。

 津波や洪水から非難するかしないかなら、避難しない人は放っておいて、私ゃ逃げるけどさって話で。

 感染は、広げられると、巻き込まれるんや。

 迷惑やなあ。

 

 そんなこと一つ取ってみても、人って深い。

 

 私が熱心にブログを書く理由の、もしかしたら最大の物は、これかも知れん。

 自分が信じることを、できるだけ丁寧に伝えることで、1人でも、賛同してくれる人を増やしたいから。

 だからこそ、何が真実なのか、自分で一生懸命考えないといけないと思う。

 そこに、私利私欲を挟むべきでないと思う。

 良い結果に行きつけたことで、みんなが等しく利益を受ける結果を目指さないといけないと思っている。

 なぜなら、因果応報で、自分がやったことは、何等かで返って来ると思っている。

 一つには、感染が広がってしまった世界で生きて行くこととか。

 経済が疲弊しつくした世界で生きて行くこととか。

 私利私欲な人たちの考え方だと、こうなる。

 感染が広がろうと、経済が疲弊しようと、ひどい世界になっても、その中で、相対的に自分が有利ならそれでいい。

 まあ、何というか、そういう考えもあるんやなあと、認めるとしよう。

 そこに見えるのは、人としての弱さだと思う。自分が何ら武器を持たない弱さを、無意識が自覚していて、自分だけを守ろうと必死なのが伝わって来る気がする。

 ↑誰のことを言っているのか?

 ええんやけどな。

 まあ、個人的には、嫌いです。

 だってさ。

 ひどい世界で、相対的に自分が有利でも、その自分だって、危険にさらされることになるんやで。

 世界には、自分にとって大事な人はいっぱいいる。

 そういう人の多くも、危険にさらされるねんで。

 私は、嫌やな。

 欲張りだから、みんな、危険でない方が良い。

 

 そうそう。

 記事に書かれていたように、言い伝えなどの正しいとされていることを死守しようという考え方で、人類が何とか生きてきたのは、本当だろう。

 一方で、反対する人を作って置く。

 昔なら、どういう理由で反対だったんだろう?

 今なら、科学的に、違う戦略を用いることができるっていう理由なんかなあと思う。

 いや、昔もまた、身近にある何かから、その言い伝えと現実の世界の矛盾に気付いて、一定の合理性で反対した人だっていたかもしれない。

 場合によっては、違う言い伝えを信じたかもしれない。

 今なら、科学。

 でも、エビデンスが高い事以外は、科学的に合理性があると考えられるから違う意見を持つというのは、昔の現実世界との矛盾に気付いた人と、限りなく近いのかもなあ。

 わ、めんどくさ。

 こういう、ヘンテコな入れ子のような考えに、時々陥る。

 そんな訳で。

 私は、科学的な合理性っていう意味で、割と、玉川さんと意見が一致する。

 今日のモーニングショーには、小林慶一郎さんという、政府が経済対策の意見を聞くことにした(何て名前の組織か忘れた)4人のうちの一人という人が、リモートで出演。

 ここらへんの、あらゆる手段を戦略的に使って、問題を解決できないか?という姿勢に、追随中です。

 

 それでも、一見カシコに見える、橋下徹氏でも、検査を頑なに受けないって言い続けたわけで。

 まあ、誰しも、非合理的な一面は持っているもんな。

 

 ヨーロッパは、色んな背景の違いがあると思うけど、一気に感染が広がったので、あの手この手、講じてきますが。

 日本は、感染が幸いにもゆっくりだったせいか、踏み固められたことでしか動こうとしないし、いや、動けばまだいいけど、それすらやるのん?って空気がまだあって。これじゃ、もっと致死率の高い感染症が来たら(実際強毒性の鳥インフルとかあるらしいし)、とっても危険なことになると思う。痛すぎる。

 これって、国民性なんですかねえ。島国だから、脅威が少なかった。飢饉くらい?

 

 世界から、いろんなデータが上がって来て、さすがにそれに背中を押されるように、日本も遅れながら動いていく。

 やっぱり、そんな国なんかなあ。

 イノベーションは起こせない。

 お手本あって、それに必死について行っていたら、勤勉さで、周りよりリード出来た時期がちょっとだけあった。

 優秀な人が、日本から出たがる訳や。

 足引っ張る人が多すぎるもんね。

 

 ああ、今日は、残念な結論になってしまった。

 小林慶一郎さんに、期待しようっと。

 

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