またまた、佐用へ

 8月12日に、またまた佐用へ行ってきました。

 そう、西播磨天文台です。

 急に、星を見ようって熱が上がった?

 

 まあ、気分転換に遊びに行くところが欲しいんですよね。

 で、新しいことを始めるのは、結構エネルギーと時間がかかる。

 でも、中途半端にやりたいかどうかわからないことで間に合わせるのも、気が乗らない。

 じゃ、今までやっていたことなら。

 でも、スキューバダイビングを再開するには、ビンボーすぎる。

 そうだ、星を見よう!

 しかも、天体望遠鏡で見るとか、そういうのではなくて、降るような星を、直接見よう。

 これが、優雅な田舎生活をしている人だと、家の庭から見られるところなんでしょうけど。

 中途半端な田舎だと、そうもいかず。

 さりとて、見知らぬ場所の空き地で、一人っていうのも、怖いし、寂しいし、怪しい。

 そうだ!

 「観望会」を、ネット検索だ!

 で、出てきたのが、西播磨天文台だったというわけです。

 前回は、「宇宙の終わり」の講演会を聞いた。

 曇っていて、星は見えなかった。

 

 今回は、ペルセウス座流星群。

 曇ったら、行くのやめようと思ってましたが。

 前日の夜、べったり曇ったと思ったら、風が吹いていて、ウソみたいに、しばらく晴れて、その間に流星を一個見た。

 じゃ、行くか。

 で、行ってはみたものの、高速で、事故渋滞にハマる。

 生まれて初めての渋滞!

 って、テンション上げかけたけど、2回目でした。

 豊岡からの帰りに、関係者渋滞にハマったんでした。(^^;

 

 イベントは、「スターダストさよう2019 この夏一番星が流れる夜」っていうもので。

 お祭りっぽい感じに、屋台が出てて、お子様の科学工作とかができて、講演会があって、一晩中門を閉めずに施設が解放されている。

 で、出かける口実にしようと思った講演会には、10分遅れで入っていった。

 講師は、東京大学宇宙線研究所の研究員の大内正己さんで、「宇宙138億年の歴史、そして未来」というタイトルでした。

 まあ、まだ前振り的な話だったので、十分間に合った感じ。

 周辺の人が、やけに熱心に見える。

 ①と②って書かれた札を皆さん持っていて、クイズでどっちか上げる。

 あ、そんなの貰ってない。

 しかも、終わってみると、5問中、2問くらいしか正解できてなかった。

 そんな訳で、またまた、まあ、そんなに熱心じゃないしとか、言い訳しながら聞く感じ。

 大内さんは、遠くの天体を観測している人で、132億光年先の星の観測に成功したっておっしゃってたと思う。

 ということは、その星の姿は、132億年前のもの。

 宇宙が誕生してから138億年だから、どんなに探しても、138億光年先の星までしか観測は不可能で、ほぼ限界に近いところの天体を観測できたってことですよね。

 その天体は、現在の私たちの銀河やその周辺の銀河、つまり、138億年後の姿と比べると、銀河のサイズ自体が、小さいんですって。

 まだ、いろんな物質が寄り集まったりする現象が起き始めたばっかりだから、そんなに大きくなってなかったってことなんやな。

 ちなみに、この遠くの星を探すプロジェクト、星空の暗いところを狙って探す。

 明るいところは、近くにたくさん星があるっていうことなので、それに阻まれて、遠くの星が見えにくくなるから。

 で、いくつかの天体が観測できましたって、画像を見せてもらった。

 探していた遠くの天体が写っている。

 でもその周りに写っている、似た感じの点々は、「ノイズ」なんですって。

 ノイズを取り除く方法って、どんなんかな?

 帰って来てから、疑問に思った。聞いてみればよかった。

 多分、手前のいろんなものが、光っている。

 近いところからいうと、たとえば、空気中のチリの反射、もっと手前の天体だけど、小さくて拡大してやっと見える物、など。

 目的の遠くの天体の手前に、邪魔者がいっぱいあって、それがノイズとして入る。

 そのノイズを取り除くのは、どうするのか?

 何回か撮影した画像を見比べて、そのたびに違うものが写っていれば、ノイズ。

 毎回写っていれば、何かしらの天体のはずだけど、それが、遠いのか、割と近いのか?

 目的の「遠くの天体」程遠くないけど、そこそこ遠くのものなら、スペクトルを取って、赤方偏移が小さければ、そこそこ遠い方の天体ってことになる。

 そんなところだと思う。

 最先端の、まじめな研究というのは、ホンマに、地味な作業の連続なんだろうと思う。

 

 で、講演会の後半。

 宇宙がこれからどうなっていくのか?

 こないだの宇宙の終わりの話と被りますね。

 でも、もうちょっと違うスケールの話とか、ブラックホールの存在比率の話とかもあったので、前に聞いた話では分からなかったところが、ちょびっと埋まった。

 1兆年後くらいには、宇宙の物質は、燃えカスになって、反応が起こらなくなるんだそうだ。

 そのずっとずっと先になってから、膨張が進んで隣の天体が遠すぎて、光も届かないくらい離れてしまう。

 

 で、疑問が。

 この1兆年後。

 物質として残るのは、なんなん?

 核融合が進んで、水素が使い果たされて・・・・

 質疑応答で、またまた手を挙げて聞くことができず。

 だって、長らく宇宙論なんて、聞いてないから、この30年の間に知られていて、熱心な天文ファンだったらみんな知っているようなことを、ボケボケと聞いてしまったら、恥ずかしいやん。

 で、またまたこっそり後から聞きに行った。

 鉄、または、酸素だろうという話でした。

 鉄は、原子核がバラバラになって単独で存在しているのか、固まっているのか?

 バラバラではなくて、いろんな大きさのものが残るんだそうだ。

 中性子性の残骸とか。

 ふ~ん。

 いや、それを知ってどうなると言われたら、そうなんですけどね。

 

 講演の中で出てきた言葉。

 「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」。

 暗黒物質というのは、自ら輝かない物質で、暗くて見えないけど存在している物質で、「ダークマター」の翻訳ですね。

 暗黒エネルギーというのは、私が若かったころ聞いた宇宙論で出てきたかどうか、覚えがない。

 古典物理で出てくるエネルギーは、光とか、熱とか、位置エネルギーとか、いろいろありましたが。

 ここで出てくる「暗黒エネルギー」というのは、そういう古典物理で出てきたエネルギーみたいに、身近にあって観測できるエネルギーとは違うエネルギーってことのようで。

 暗黒エネルギーと、私たちが日常的にエネルギーと呼んでいるものは、行き来できない等価で交換できるものではない物らしい。

 宇宙を収縮させるのが、暗黒物質という物質で、宇宙を膨張させるのが、暗黒エネルギーというエネルギーなんだそうで。

 だったら、それを有効利用しようとか、そんな話になりそうですが。

 そもそも、私たちがエネルギーを日常的に読んでいるものと、等価で交換できるものではないんです。

 取り出せることが分かっている核エネルギー(原子核の質量がエネルギーに代わる)でさえ、取り出すのがあんなに困難なのに。

 安直に、無尽蔵なるものを取り出せるなんて話は、まあ、ないです。

 まじめな物理学においては。

 そんなことを言い出す人の話は、眉にツバ付けて聞いた方が良いです。

 大内さんは、暗黒エネルギーと呼んでいるけれど、実は、それは、私たちの宇宙の「空間」そのものが持つ性質なのかも知れない。

 そうおっしゃっていました。

 この、まじめに取り組む人が、「まだ分からない」という瞬間に、なぜだか、しびれます。

 前に、北播磨総合医療センターの先生が、「医学はまだそこまで進んでいなくて、分かってはいないんです」とおっしゃったときも、なんか、その分からないことを分からないというその姿勢に、ちょっと、グッときました。

 私自身は、ドロップアウトしてしまった、まじめな理系君やリケジョの世界。

 とてもリスペクトします。

 いわば。オボちゃんとは、真逆の立場ってことですね。

 あ。

 またまた。

 熱心に聞いてしまっていた自分がいた。

 

 さて。

 講演の後、空が暗くなるまでが、間が持てないじゃないですか。

 天文台には、お土産コーナーがあって。

 テンション上がって、自分のお土産買いました。

 マスキングテープ。

 このロケットの絵の、べたな感じが良くないですか?

 ガラスの置物。

 レーザー光線で、ガラスの内側に傷をつけて、それが模様になるってもので。

 サンドブラストより高度で、手が出ないと思っていた技術ですけど。

 それで描かれたハナブサ2のデザインのペーパーウェイトが、なんと、430円!

 ハヤブサの向こうに、小さく浮いている、天体らしきものが、ちょっとかわいい。

 

 そのあと、暗くなってから、流星を見ました。

 斜面の芝生の上に、家族連れやカップルが、あちこちにレジャーシートを敷いて場所取りしてます。

 わ~。

 レジャーシート買うの、もったいないかも。けち。

 しかも、一人で来ている人は、ホンマにほとんどいないので、浮いてる気がする。

 いやいや、ここは、痛い天体マニアのフリをして。

 とかなんとか。

 寝転がらないと、見づらいので、芝生の上に直接寝ころびました。

 頭の中に流れるBGMは、「キャプテンフューチャー」の主題歌。

 「子供の頃は、空を飛べたよ~♪、草に寝ころび心の翼広げ~、どこへだって行けた僕だった~♪」

 ああ、堂々、草に寝ころべるって、エエかも。

 そこで、今やって来たばっかりの家族連れのママの声が。

 「パパ、シートちゃんと敷いて、鹿フンあるかも」

 え~!!!(TT)

 さて、流星。

 1個目に見たのは、火球クラスで、青白く光って、赤っぽい「痕」が残った。

 歓声が上がった。

 月が明るくて、あまりたくさんは見えなかったけど、いくつか結構大きな流星が流れました。

 

 途中で、順番が着て、「なゆた」望遠鏡で、土星を見た。

 わっかに、「カッシーニの間隙」があるのが見えた。さすが、大きな望遠鏡だけのことはあるんだわ。

 そのあと、望遠鏡の建物の裏手で、「友の会」の人たちが望遠鏡を出して見せてくださるというところに行って。

 M13(球状星団)、木星(大赤斑が見えました)、アルビレオ(白鳥座の二重星)を、見せてもらいました。

 

 なんか、満喫した。

 でも、私の本当の目的は、まだ果たしてない。

 月のない暗い夜に、裸眼で、天の川を見ること。

 いて座周辺の天の川中心部と、そこに無数に見える赤い星雲を、裸眼で見たい。

 「友の会」入会してきました。

 そこはほら。

 兵庫県立大学の持っている県立西播磨天文台っていうのが背景にあるので。

 怪しい集会じゃないです。

 多分、オタクな集会。

 

 昔、地味で、かわいげがなくて、痛い、女子力の低いリケジョだった頃。

 天文少女で、マニアな私でいることは、ちょっとした「鎧」だった。

 そういうのがなくても、楽しいんだろうか?

 そう思っていた。

 結構、楽しい。

 お土産コーナーで、一番テンション上がったかも・・・

 

 ランちゃんの散歩のため、早めに引き上げた。

 真夜中、ランちゃんと散歩に出て、散歩中にも、3個の流星を見た。

 結構、星尽くしだったかも。

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