毎年春に開催しています「ふく蔵」ギャラリーでの、作品展、始まりました。
「多鹿由美ガラスアクセサリー展2019 ~浮遊する光~」
2019年4月22日(火)~5月6日(月・祝)
10:00~18:00(最終日は、16:00まで)
「ふく蔵」(富久錦酒造内)
兵庫県加西市三口1048
Tel:0790-48-2005
トンボ玉教室の生徒作品展を同時開催しています。
初日、終わりました。
搬入、今年は生徒さんがお手伝いに来てくださいました。
ありがとうございました。
おかげさまで、できるところまで前日搬入でできたものの、私が準備しないとどうにもならないところを残し、初日の朝を迎えまして。(^^;
接客しつつ、生徒さんの名札を切って、両面テープで張り付けたりして・・・・・・
メインの作品の値札付けもできておらず、家で宿題でやろうとしたら、値札がグレーしかなくて、メインの作品だけ、値札の色が違います。(^^;
トルソーにも、リゾート感のある服を着せ、アイスキューブ風のペンダントをつけ。
実演のバーナー等のセッティングも終えて、一回だけ、実演をして見てもらいました。
毎年来てくださっているというお客様とお話をしました。
ほぼ毎日店番、去年に引き続き、2年目ですが、良いですね。
今まで見えてなかったものが、見えてきます。
今日は、動物病院の奥さんが来てくださって、お話をしていて、やっぱりなあと思いました。
作品の「見どころ」を解説したキャプションが要るなあ。
その実感は、毎日店番でなかったら、心の底から感じるってことはなかったかもしれない。
せっかくやるんだから、せっかく来られているんだから、ただご覧になる方にでも、もっと楽しんでいただきたいなあと思った。
せっかくやるんだから、エンターティメントの面からも、もっともっと、楽しんでもらってナンボやなあって。
今から作ります。
できたら、27日(土)には、会場に見どころを解説したキャプションを置けるようにしたいです。
これから準備します。
今年、ふと思ったんです。
今まで、毎日店番をしてなかったときは、会場に置くものは、基本的に、アクセサリーに組み上がっていて、すぐに使えるものにしていた。
玉単体では、どうやって使うの?って事になるので。
でも、そうすると、玉を見せてるんだか、紐を見せてるんだか分からない、ごちゃごちゃした展示になる。
そうやん。
毎日店番なので、組んでない玉を、切れに並べてみてもらう比率上げても、大丈夫かも。
というわけで、今年から、玉単体もたくさん展示することにしました。
今までは、ごちゃごちゃするのを避けるため、一気にたくさんは出さないようにしてましたが。
玉だけ並んでいる方が、見やすいです。
じっくり、選んでいただけます。
さて、今年の作品の見どころですが。
①銀窯変の「ブルーメタリックの玉」
今までも、銀箔を使った「銀窯変の玉」を作っていましたが、銀をガラスに溶かし込んだ後、一旦還元炎(酸欠の炎)で焼くことで、表面に銀のメタリック光沢が出ますが、これを透明のガラスで覆うと、メタリック光沢だったものが、霧のような、靄のような色になってしまい、メタリック光沢のまま残せなかったのです。
しかも、靄の色が、くすんだ黄土色になってしまうなど、色が思うように出なかったのです。
熱をかけるし、仕方ないかなあと思っていたのですが、試行錯誤の結果、「メタリックブルー」を透明で挟み込むことに成功しました。
玉の表面に出ていると、経年で酸化が進み、色が変わっていましたが、透明で挟み込んだものは、表面に出た物よりは、きれいな色が長持ちすると思います。
きれいです。
輝きを、実物で確認してみてくださいね。
②ケーシングのホタルの玉
「ケーシング」とは、ケースの中に入れることみたいな意味で、トンボ玉の世界では、表面を透明のガラスで覆うことを言います。和風に言うと、ケーシングのホタルの玉は、「透き掛けホタル玉」ですね。
伝統的な、ホタル玉というのがあります。沖縄の琉球ホタルの流行で知られるようになったホタル玉は、今や、日本全国、北海道で魔で売っています。もとは、大阪の泉州のものです。沖縄のものじゃないんですよ。誰かが、取って付けたように「琉球」を頭に付けたんです。
さらに最近のは、本式のホタル玉とは違って、簡易なホタル玉です。
今回の見どころは、本式のホタル玉の作り方で作ったホタル玉を、透明で覆っています。
単純に覆うと、やっぱり濁った銀の色が出てしまいます。
今回は、濁った色が出ないように透明で覆っています。
ブルーメタリックの玉の成功によって、きれいに濁った色を出さずにホタル玉を透明で覆えるようになりました。
個人的な好みで、覆った透明ガラスを、多面体型に仕上げて、プリズムの効果で光がきらきらするように仕上げています。
③DM作品、銀のインプロージョン
銀を使ったインプロージョン、去年は、銀コロイド発色(霧状の発色)の中でも一番出しにくいブルー系の色で、お花の形にインプロージョンしたものを出しました。
今年は、銀の微粒子(といっても霧状の時の粒子ほどは小さくなくて、目視で銀の粒だとわかる大きさ)の層が、お花の形になっているタイプのものを作りました。
光が入ると、すっごくきれいです。
④ミズクラゲの玉
ミズクラゲのメスを作りました。
メスは、「口腕」が、ひだひだで、バラの花のようになっていて、そのイメージのものをるくりました。
須磨水族園に行って、ミズクラゲのメスを、しげしげ観察してきました。
カサの方も、今まで、四ツ目模様までは作ってましたが、四ツ目模様の端から傘の先まで放射状に延びた「水管」の模様も入れました。
水管模様入りの、脚がバラみたいにひだひだの、ミズクラゲのメスが入ったトンボ玉を、ぜひ、見てみてください。
タグに、「ミズクラゲとプランクトン」と書こうとして、そうだ、ミズクラゲもプランクトンだったんだったと思って、「ミズクラゲ」とだけ書きました。ほかに、ムリー二という金太郎あめみたいなパーツで作った、卵からかえったばかりの魚の稚魚や、甲殻類子供などを玉に入れています。
小さな海の風景です。
⑤小さなつぼみの玉
今まで立体的なつぼみのパーツを作って、何個か作りためてからトンボ玉に入れた「つぼみの玉」を作っていましたが、今回は、ずっとずっと小さいつぼみを作りました。
つぼみが小さい分、玉も、巨大化せずに完成できています。
⑥ネコのインプロージョン作品
透明のガラスの円盤に、色ガラスやパーツを置いて、透明の塊の中に立体が立ち上がるようにして「インプロージョン技法」で、つぼみなど、いろいろ作りましたが、ネコも作っています。
先に立体を作ってから透明で覆うという方法もありますが、薄い耳や、鼻のところのひげが生えている点々模様は、あらかじめ立体で作ったものではできない、インプロージョン技法ならではです。
小型化がまだ難しいので、主にペンダントトップに仕上げています。
⑦熱帯雨林の玉
インプロージョンで作った花やつぼみやはっぱの立体的なパーツを使って、熱帯雨林(ジャングル)の景色を閉じ込めた作品を作りました。
覗くと奥行き感のある熱帯雨林の風景を見ることができます。
「グラス・ウィング・バタフライ」、和名「スカシマダラ」という蝶を、金太郎飴方式で作るムリー二というパーツで作って、薄くカットし、玉の表面に埋めています。
実は羽の色、うっすい透明の紫にしています。
以上。
今回は、耐熱ガラスではなくて、国産のソフトガラス、サタケガラスや、キナリガラスを使った作品に戻って来ました。
なんか、マニアックな感じのものを作りたくて。
そうなると、技術的にある程度こなれたソフトガラスの方が、私にとっては自由度が高くて良いんです、やっぱり。
今年は、じっくり見ていただくと、見どころ満載の展示にしています。
ぜひ、ご覧ください。