SFという名の、現実逃避なのであった

 この頃、星空を見上げることが多くなった。

 犬の散歩が夜だからだ。介護の関係で、昼間に時間を取る余裕がないので。

 でも、街灯が明るすぎて、天の川は見えない。

 きっと、ここら辺を流れているはずなんだけどって、思う。

 

 さっき書いた、トリチウムのお話の続き。

 書き終えて、風呂で頭を洗いながら、ふと思った。

 そうか。

 玉川さんは(羽鳥慎一のモーニングショーに出ている、痛い感じの理系君で、かなり好き)、チェルノブイリは、「無理無理、元に戻す」ことはせずに、「函の中に閉じ込めておく」ことを選択した、そういう考え方があっても良いのじゃないかと、言うてはった。

 ホンマになあ。

 って思った。

 でも待てよ。

 福島第一原発の周りに、「トリチウム」の濃度の高い「処理水」をためておくとして。

 50年くらいで、16分の1になるなら、ためておいては?って書いたけど。

 そうか。

 巨大地震はなくても、巨大台風とかに見舞われて、タンクが壊れたら、高濃度なまま、局所的に流れ出してしまう可能性があるんやなあって、思った。

 感情的にはともかく、厳密に、理論だけで考えたら、そんなことになるなら、希釈して海に放出した方が、一か所に致命的な被害が起こる可能性より、リスクは低いのかもしれないなと思った。

 ただ。

 それをやるなら、ちゃんと、「ごめんなさい、今回だけ。」って、世界に、いや、生物圏全体に向かって、謝ってから、捨てさせてもらうしかない。

 誠意を見せるために、原発稼働をやめるとか、何か、本気を示さないといけないんじゃないかって、ちょっと思った。

 いや、大丈夫と思って、希釈して放出しても、良く知られていない海流の流れで、変に端っこで渦を巻いていて、希釈されずに溜まるかも知れへんで。

 大丈夫!って、大きな声で言いすぎる人のことは、あまり信用できない。

 そうしないと、人が不安がるから、ハッタリで言うてはるのであって、そのハッタリをうっかり信じ込んでしまったのであって、どこか疑いつつも長い物に巻かれてそのハッタリをオウム返ししているのであって。そこには、科学的な意味での、裏付けなんてホントはないはずだ。

 

 グレタさんが、この頃話題ですけど。

 私、車生活しているしな。

 今、フトコロイタタのため無理やけど、もしも将来、可能性があったら、また海外旅行のために、飛行機にも乗りたいしな。

 それは、やっぱり、私のエゴなんだろうなと思いつつ、そういう欲望があることも、生物としては、きっと自然なことだと思う。

 ただ、「温暖化問題はない!」って、言い切るのは、さすがに恥ずかしい。

 

 エネルギー問題なんですけど。

 化石燃料は、二酸化炭素を排出して、温室効果が起こり、地球温暖化を加速するらしい。

 原発は、二酸化炭素を出さない。ただ、原子核に閉じ込められているエネルギーを取り出すことで、最後には熱に変わり、熱を大気中に放出している。

 太陽光発電でも、森を切り倒して太陽電池を置いている自治体とか見ると、痛すぎて、叫びだしたくなる。その木、燃やしたら、二酸化炭素出すやんか。太陽光パネルも、廃棄の際に、エネルギーは使うし、二酸化炭素を出す。厳密には、そこをちゃんと考えないといけないんじゃないかって思う。

 

 昔、SF小説を、せっせと読んでいました。

 この世界でないどこかの世界に、幸せを求めていたっていう意味では、夢見る少女の現実逃避だったってことですね。ちょっと、宇宙空間、飛び回ってましたけど。

 その時の感覚で言えば。

 ホンマの意味で、再生可能なエネルギーは、「バイオ」しかないと思う。

 植物か、植物プラインクトンなんかに、太陽光で炭水化物を作ってもらう。それを、使いやすい形に変えて、エネルギーとして使う。

 大元は、太陽から降り注ぐ光で、炭水化物に変わらなければ、大地や海に降り注いで、熱に変わる。

 それを途中段階で、炭水化物に変えて、人間が使ってから、熱に変わるのが、バイオ発電。

 すでに増えてしまった温室効果ガスさえ、何かに捉えて固定さえできたら、熱だけなら、自然と宇宙空間に出て行く。そして、熱の出入りの量の収支が合う。

 そのあとに、バイオで発電する。

 例えば、各地で耕作放棄地が、たくさんあって、そこに気候に合った何か作物を植えて、地産地消型の発電をする。

 今まで、稲穂が揺れていた場所を、少し趣の変わった植物が植えられて、風になびき。

 人間の労力を抑えるために、監視のためのドローンが、妖精のように、上空を飛ぶ。

 夢見る少女の「私」が、毎朝、学校に向かいながら、自転車で走り抜ける。

 例えば、広大な領海内で、いかだが浮かんでいる。

 そこには、大きなプールがあって、淡水の中で生息する植物プランクトンが、太陽光を浴びて増えて行く。

 そのプランクトンが、脂肪を作り出し、回収するプラントの中を、プランクトンごと、静かに循環してい行く。

 いかだの上を、「僕」が歩く。

 海面がきらきら光っている。

 上空を見上げると、通信衛星が太陽に反射しながら通り過ぎる光が、見える。

 そんなことを考えるとき。

 何かをたくさん作ることは、実は、生態に影響を与えないのか、考えないといけないんだろうなあと思う。

 淡水のプールが、海の上のいかだにと書いたのは、海水だったら、事故で漏れだしたら、何等か、生態への影響がより大きくなるかも知れないと思ったから。

 まあ、そんな牧歌的なことで、日本全体のエネルギーをどうやって賄うんだとか、言われそうな気がするけど。

 そんな未来は、ちょっと美しくて、ドキドキしませんか?

 グレタさんが、大きなムーブメントを作ってくれるなら、それに続く、何か手段を考えないといけない。

 それって、何なんかなあって、テレビを見ながら思うのだ。

 いっぱい、電気使っているし、化石燃料使っているし。

 何か、いい方法、誰か考えて!

 そっちに舵を切ることが出来たら良いのに。

 原発にしがみついていることが、それを遅れさせやしないんだろうか?

 いや、何より、生身の人間には、防ぎきれない危険とセットの原発が、やっぱり正直怖いと思う。

 急に止められない。

 そのこともまた、荒れ狂う神だと思う。

 

 宇宙空間では、激しい反応は、あちこちで起こっている。

 ビッグバンで宇宙ができた時、最初にあったのは、水素だけだったんだって。

 つまり、水素の原子核は、単体の陽子やもんね。

 濃淡ができて、濃いところの物質が引力で引きあって塊になり、やがて原初の恒星ができて、内部で核融合が始まり、ヘリウムが生まれる。(こっちのは、陽子2個、中性子2個です)

 と、そういう核融合反応が繰り返さなければ、水素以外の物質は作られないんだって。

 そうして、核融合反応でいろんな元素が生み出された後、原初の恒星が最期を迎えて、作られた元素が宇宙空間に散る。

 それを原料にまた引き寄せあって、次の恒星が生まれる。

 私たちの太陽には、いろんな元素が含まれているので、宇宙誕生初期にできた恒星ではなくて、原初の恒星が作った元素を含みつつ、それでも宇宙空間にたくさんある水素が主な成分として寄り集まってできた恒星なんだそうだ。

 こないだ読んだ星のソムリエになるための教科書に書いてあった。

 あ、私が天文少女だったときには、聞かなかった話だ。

 年バレる。(^^;

 そんなことを思いながら、宇宙を見上げた時。

 ちょっと体の芯に、不思議な震えが来る。

 ああ、世界って、美しいんだなあって、思う。

 

 油断すると、ランちゃんに引っ張られて、長靴のかかとまで、ぬかるみにハマったりするけど。

 ああ、世界って、美しいんだなあ。

 そんなことを思う、私って、やっぱり、ヘンコですかね。(^^;

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