論点が・・・

 検査しろ女です。

 抗体検査で、疫学調査がされてないの?というのが、ずっと引っかかっています。

 で、抗体検査の精度って、どうなんと思ってググったら、何か、お医者さんが書いたブログが引っかかって来ました。

 読んでみました。

 論点のすり替えがある気がして、読んでいて、イライラして来ました。

 なんで、被ばく量の検査の話が良く出てくるのだろうと思って見てみると、相馬中央病院と書いてあるので福島で検査をされていたんでしょうか。

 目の前の大事なお仕事を、しっかりこなされている立派なお仕事をされている方の意見に、趣味だか仕事だかわからないことになっている気ままなフリーランスが食って掛かるのもどうかと思うのですが。

 何か、引っかかるんですよね。

 そう、「キッド」で「批判的精神」なんで。

 越智小枝さんのブログの記事に、リンク張ります。

 新型コロナウイルスの科学(1)放射線防護との類似と相違

 新型コロナウイルスの科学(2)検査とコミュニケーション

 新型コロナウイルスの科学(3)検査という知られざる戦場

 

 (1)の放射線防護とコロナの感染対策を比較と書かれているんだけど、論点がぐちゃぐちゃです。

 福島原発の際には、被ばくの可能性のある人に、速やかに被ばく量の検査が行われたようです。

 彼女の論法から言えば、被ばく量を測って置けば、その量から、健康被害が確率的に分かるから、被ばくされた可能性のある方全てに検査をする意味があったから、検査をしたのだと。

 ちがうな。

 計測器は、ホールボディーカウンター(WBC)だそうです。

 これは、体内に取り込まれた「放射性物質」の量を測るために、「放射性物質」から出て来る「ガンマ線」を測定するものです。

 放射線には、弱い「アルファ線」、次に強い「ベータ線」、とても強い「ガンマ線」があります。

 意外ですが、体内に取り込まれた場合に健康被害が大きいのは、エネルギーが弱いアルファ線です。細胞の物質にぶつかって、組織を壊すのは、弱いエネルギーなのです。

 ガンマ線は、勢いがあり過ぎて、体の組織にはほとんどぶつからず(干渉せず)、飛び出して行ってしまいます。

 このガンマ線を測定するのがWBCです。

 調べると、300ベクレルまでなら10~15分で測定可能と書かれています。なので、一人当たりの実際の測定時間は、準備などの切り替え時間がかかると思うのでもう少しかかるとしても、一人当たりの測定にかかる時間は比較的短い。

 おそらく被ばく量が少ない人の被ばく量を詳細に測ろうとすると、長時間かかるという仕組みの計測器のはずです。物理学的に考えて。

 どのくらいの人数が測定できるかというのは、WBCの検査のキャパによると思うのですが、多くの人を測定できたのは、このWBCをたくさん配置できたからじゃないでしょうかね。どんなに多く検査したくても、キャパが足りなければできない。

 事が重大だったし、すでに放射性物質を体に取り込んでしまったという事実が起こってしまっているので、すぐに測る必要があった。初期の一番ガンマ線が測定できる可能性の高い時期を逃してしまうと、本当の健康被害がつかめないから、急ぐ必要があったと思います。この時も、やきもきしてニュースを聞いていたものでした。

 ちなみに、天体観測で、遠くの星の可視光線(これも電磁波です)のスペクトルをとるのは、長時間露光が要るので、望遠鏡が長時間塞がることになるようですよ。その辺の明るい光源のスペクトルは、一瞬でとれますが。

 この被ばくの量と健康被害の確率と、感染が広がる際の確率を比較するという考え方そのものがおかしい。

 原発事故に関しては、健康被害を起こす元となるものが、建屋が吹き飛んだ時に出てしまった「放射性物質」なので、被害を広げないために追跡するのは環境中にばら撒かれた「放射性物質」の分布です。

 個人の体に起こる健康被害を予測するのは、WBCで計測したガンマ線から分かった体内の放射性物質の量ですが、この放射性物質の量は、環境中の放射性物質と比べて圧倒的に少ない。個人の体の中の放射性物質が、体外に排出されたとしても、とても少量なので、それが次の被害を広げる訳ではない。

 一方で、新型コロナに関していうと、個人の体に起こる健康被害は、ウィルスの感染によります。

 そして、次の被害を広げる元となるのも、感染者が持っているウィルスなのです。

 だからこそ、被ばくの被害を防ぐためには、放射性物質の広がりを追跡したはずです。

 同じように、次の被害を広げないためには、ウィルスによる感染の広がりを追わないといけないのですよ。

 ここを、越智小枝さん、完ぺきに「ごっちゃ」にしています。科学的な切り口で、現象を分析できてないと思いますよ。

 とまあ。

 この3部作の論点のすり替えや、論理的でないところを追求し出すと、数日かかるくらいの大作になりそうだったので。

 このへんで諦めました。

 

 (3)に関しては、検査はこんなに大変で、精度を出すのにこれだけ苦労していて、精度が出ない検査は良くないっていうのを、切々と述べられていて。検査数が少ないままでいいとは思っていないけれど、これほど努力して精度を上げようとしているから検査数が増えないという背景もあるのに、そこから後出しじゃんけんのように検査が少ないことを非難するのは暴力だと述べられていますが。(これも論点があちこち変ですが)

 いやいや、あなたを責めてるわけではなく。

 民間の検査機関をもっと活用出来たんじゃないかって話で。

 ここで検査件数が少ないことに文句言わんで!って仰るなら、民間の検査機関の検査の精度の現状であったり、できない具体的な理由が、その面から書かれていないとおかしいし。

 検査数を民間の機関も活用してもしもできたのであれば、それは、もっと政府とか官僚レベルの人が、運用面から実現すべきだったところで。

 個人の医者のあなたがどうこう言い訳することではないと思うんです。

 で、検査件数が多い少ないは、あなたの気持ちはまあ良いとして、国民の利益と直結する重大な物だってことなんですけどね。

 全編読んで、医者って、こんなに論理的思考できてない人いるんやって、あらためて思った。

 三流大学の物理学科出の、リケジョ崩れの、干上がったトンボ玉作家から見ても、論理が、壊れている。

 サイエンスに弱い人から見ると、まことしやかに見えてしまうところが怖い。

 きっと、世間には、医療従事者も、医療従事者でない理系君やリケジョがうようよいて。

 中には、結構、ガチな論理的思考な人も結構いるはずで。

 きっと、同じことを思うだろう。

 

 そうそう。

 (1)に関しては。

 岩田先生が「演繹法」を使ったモデルは、「帰納法」によって補完されるものだと書かれていて。

 ということは、感染拡大モデルで予測されている数値が、どのくらい実際の感染状況と一致しているか確認する必要性があるっていうことで。ランダムなサンプリングによる市中感染率の概数を掴んで、モデルと比較対照することで、モデルの正しさを確認する作業があるべきだと思う。

 越智小枝さんは、その確認作業なしに、モデルが正しいことを前提に書かれていて。ホンマにそうなん?っていう視点が欠けているように思う。

 ええんか?科学って、そんなんなん?

 他にも、論点のすり替え何カ所かあったけど、わざとか?分かってへんのか?あああ!!!

 (2)に関しても。

 絶対助けますって言うけどな。

 うちのお母ちゃんなんか、感染してもたら、発症してもたら、その時に分かっても体力持たんと思うわ。

 うちの母、助けようと思ったら、感染してからでは遅い。周りに感染を寄せつけない努力が要る。

 今回のウィルスは、目に見えない感染者がいて、感染力が強いので、目に見えない感染者をできるだけあぶりだすのには、検査しかない。

 そこんとこ、どう考えて、助けますって言うてはるねん。

 何でこういう論理になるんや?

 わざとか?ホンマに分かってへんのんか?

 誰かに書かされとるんか?

 おっと、陰謀論。

 

 というわけで。

 疲れました。

 ツッコミどころ満載。

 なんでこんなん、科学やねん!

 大丈夫か?大丈夫か?

 ほんまに。

 

※4月7日追記

 現在出回っている迅速検査キットは、粗悪品だったそうです。

 3つ後のブログに書いています。

 ちなみに今日の「モーニングショー」の玉川さんによると、今のPCR検査のキャパ(キャパシティー=検査可能な件数)の内、民間の検査機関に委託しているのは、わずか1割なんだそうです。

 検査を増やせというのは、先に紹介した越智さんたちに、死ぬほどがんばれ!と言っている訳ではなく、民間への委託を増やせって話なんですね。

 越智さんの書き方では、検査するところによって、結果が変わって来ては困ると仰っているからには、まあ、「信用できません」って、暗に言うてはるって解釈したら良いんでしょうかね。そこは、越智さんご自身が確認された上でのことではないと思う。玉川さん説によると、民間検査機関は、検査だけをやっている機関で、その精度が信用できないということは、企業として死活問題になる訳だから、いい加減なことをしているとは考えられないということですよ。どっちがホンマなんでしょうか?

 3つ後で紹介する、小野さんという方の記事によると。

 抗体の迅速キットに関しては、やはり実際に罹患して免疫を獲得した人が特定の抗体を一定量持っていることで次の感染が起こらないという、抗体の量と罹患の関係をちゃんと確認しないといけないらしく、その調査は、物質をコテコテ触る話ではないため、ここに時間がかかるということだなあと理解しました。

 それでも、感染防止策を考えて、現状を掴むためには、どうしても、何等かの検査は必要になります。

 イギリスの対策のプランについて、全体像を俯瞰した素人が読んでも、なるほどと思える記事でした。こういうのを、「新型コロナの科学」っていうんやと思うんやけどなあ。

 ただ、内容は、厳しい現実が書かれています。

 それでも、身を守るために、そういう見込みの情報はいるんですね。

 この後の文章は、究極感情をさしはさんだ、キッツイ書き方ですが。

 吹けば飛ぶような不安定を選んだのは好き好んで選んだことですし、まさに自己責任だとは思うんですが、それだけに、先の見込みは、仮に刻々修正が加えられようとも、どうしても、生きて行くためには必要なんですよ。まあ、越智さんのように立派で安定したご職業の方は、もちろん激務で大変でしょうが、生活の不安だけはない。そのあたりの共感は、微塵も感じられない気がしました。ま、そうでしょうね。そこまでは望まんけど、「科学」と書くなら、ちゃんと「科学」を書いてほしいもんですわ。

 わ、ヒガミ臭い文章やわ。(笑)

 補足、終わります。

 

PAGE TOP