抗体検査、東京驚きの、陽性 ”0.6%” どう見るのか?

※内容について、最後に、追記書きました

 

 献血の血液で、抗体検査をしていた結果が出ました。

 500検体から取った結果、0.6%だったそうです。

 驚きの低さです。

 なぜなら、神戸の中央市民病院で、受診者1000人から検査をした結果が、3%だったからで。

 東京でも、最低は、このくらいは行くだろうと思っていたから。

 一方、低いと思われていた東北で、0.4%と、これも、注目すべき値だったんじゃないかと思います。

 

 さて、もう少し詳細に見ていくことにしましょう。

 ポイントは、「献血の血液」であること、検査の時期が、先月だったので、「いつの時期に献血」されていたかということ。

 時期から見ていくと、5月1日に、最初は結果が出ると言っていたのに、その時点で、検査をしていたと聞いたので、4月下旬辺りから始まったのではと推測されます。

 実際に献血されたのは、その少し前か?仮に、直前と考えましょう。

 いろいろな人のものが混ざっているだろうから、4月20日に献血として(それが、超最速で検査に回ったと考えにくいので、もうちょっと前なのか?)

 IgMとIgG両方で検査をしたとのことですが、比較的陽性と出るキットでも、IgMの方は、PCR陽性の人でもなかなか陽性と出なかったということですし、IgMが陽性となる時期の短さから考えても、IgGの陽性が出たと考えてよいかと思うんです。

 IgG抗体は、感染から2週間程度経って上がって来ると言われているので。

 4月20日に取った血液が、陰性だったとして、そこから言えることは、この血の持ち主は、4月6日くらいまでは、感染していなかった可能性が高いだろうということです。この後、感染がピークに来たので、ピークの分が拾えてないという考え方ができます。 

 一方で、神戸の検査が、3月末から4月の初旬までの8日間に病院に来た人が対象だったので、その時点で3%ですからね。3%は、3月中旬から下旬にかけて感染した人たちと言えるので。

 

 そして、もう一点。「献血の血液」であったことです。

 献血というのは、ハードルが高いです。昔は、献血で何かもらえるとかで、結構、病気があっても行くという民度っていうんですかが、低い人も献血をしていた時期があったけれど、今は、絶対違うよね。

 献血の場合、まず、既往症がある人とか、風邪をひいている人とかが、最初に弾かれるんです。

 そういうこともあって、お役に立ちたくて献血をする人だと考えると、自分が風邪症状がある人などは行かないと考えた方が良いので。

 本当に、東京都民の平均的なサンプルになり得ているかという疑問が残ります。

 また、500件というのは、データとして少ない。というか、陽性が500件中3件だったということは、統計上の誤差も、かなり大きくなると思う。

 小池都知事がやると仰った、東京都内、多摩地区、都心の東側、都心の西側で、それぞれ1000件、合計3000件を、毎月と仰っていた結果を待ちたい。

 どうにも、このデータでは、偏りがある。

 もちろん、神戸も、もう一回やってみる必要があると思いますが。三宮エリアの人が行く病院だし。もちろん、受診者全員でなくて、正確なデータを取れるように選んだ1000人ということなので、風邪症状の人は、もちろん除いてあるとは思うけど。

 神戸で使われたクラボウのキットでは、交差反応だったか、他の旧型のコロナウィルスの抗体とも反応している可能性が言われています。そこも、もっと検証すべきかな。

 大阪市立大学医学部付属病院(堺市)の結果で、1%。こちらは独自の抗体検査キットを作った上でということで、交差はなかったと考えてよいようです。

 

 とまあ、そんな背景のある、献血の血液での抗体検査結果です。

 考えようによっては、かなり正確なのかも知れないと思います。

 東京で、PGR検査の結果から、ピークと考えられた時期の少し前までに感染していた人が、せいぜい1%行かないくらいではないのかというのは。

 大阪のデータとも、一致します。

 この後、感染のピークが来たと考えたところで、3%行かなかった位かと予想できます。

 一方で、東北でも、0.4%が陽性というのは、結構驚き。

 人口がそもそも少ないので、掛け算したら、感染者数としては、東京よりも圧倒的に少なくはなるでしょうけど。高齢者が献血はしないので、一定以上若い人なんでしょうけど。それなりに、感染者がいたということです。

 小野でもやって欲しい、1000人、無作為抽出で。

 三木だと、神戸方面への通勤者がもっと増えるので。三木でも、1000人とかやって欲しい。

 有意な差がなかったら、通勤の影響を考えなくて良いことにならへん?ならんか。

 どんだけ、実験、検査、観察好きやねん。

 ホンマに、疑問は絶対に調べたい人なんです。ある意味、病気です。

 

 さて、先日発表されていた、東京のナビタスクリニックでの、IgG抗体検査の結果、5.9%が陽性でした。(医療従事者は、もっと高かった)

 でも、一般の人医療従事者含め、ナビタスクリニックで抗体検査を受けた人が、希望者対象だったために、心当たりのある人に偏っていたからだということだろうと思います。

 

 そういうところから考えて、概ね言えるだろうという結論が、これです。

 「日本は、欧米と比べて、感染が広がること自体を抑えられていた」

 ということです。

 

 東京都の人口が1400万人くらいなので、その0.6%ということは、84000人前後は、4月半ばには感染していたことになります。

 PCR検査でつかんでいた陽性者数は、本当に、ごく一部だったことが、やはり証明されました。

 さらに言うと、クラスター対策だけで抑え込もうとしていたことは、いつくらいまで、機能していたでしょうか?

 まず、検査が少なすぎたことは間違いない。

 検査を増やすべき論に持って行こうって文脈になって来ましたが。

 ここで、考えてみましょう。

 東京都だけで、84000人として。

 抗原検査を含めて導入したとして、しかも有症者に絞ったと考えても、検査資源が足りない。

 0.6%で、もうギリギリやで。東京都だけでやで。

 抗原検査は、月10万キット供給可ですが、ピークの時に、その2~3カ月の合計を軽く上回る感染者出てたからね。

 不顕性の感染者が、発症者と比べてどのくらいの割合になるのか?不顕性の感染者が、どのくらいの感染力があるのか?

 そこを、ちゃんと調べておかないと、小田垣先生の、検査と隔離もまた、どのくらい有効なのか、分からないんやなあと、思ってしまった。

 ただ、不顕性だとウィルス量が少ない可能性があるので、手洗いする、マスクをする、換気をする、不特定多数で集まらないことで、防げるのかも知れない。

 不顕性感染者の感染力が弱いことを期待したうえで、小田垣先生のSIQRモデルに基づいた、「検査と隔離」によって行動制限をしないで回すという考え方を実行するなら、流行が始まってしまってからでは、検査資源が既に厳しくなる。感染者が少ない内にやらないと、こっちのキャパが溢れてきてしまう。

 

 ずっと疑問だったもの。

 日本では、欧米のように死者を収容しきれずといったような悲惨な状態にならなかった理由。

 その答えは、見えた気がしました。

 日本のピークが、検査結果に反映されていないと考えて、そして献血の血液ということを考えても、過去に感染したであろう人は、どう多く見積もったところで5%は行かない。

 PCR検査の上澄みをすくうような検査を、一応傾向だけは信じるとしたら、多く見積もって、0.6%の3倍くらいと仮に考えて、2%くらいか?

 ニューヨーク市の、10分の1です。ニューヨーク州の8分の1。

 感染が抑えられたと言っていた、カリフォルニア州よりも、低かったということになるのかも知れない。

 そこは、小池さんがおっしゃっている抗体検査を、この後(感染が一段落した時点で)することで、感染の規模を、欧米と比較できると思う。

 

 一番知りたかったこと。

 欧米で起こった、あの怖い一気に起こった感染の爆発が、日本では起こっていないように見えたのは、どういうことなのか?

 感染が少なく抑えられたのか?感染しても症状が出にくい何かがあるのか?

 全く見えなかったことが、ようやく見えた。

 欧米では気付かない内に、見えないところで一気に広がったものが、日本では、見えなところでゆっくり広がったんだ。

 そういう風に見ると、そのあとのゆっくりとした上昇していったこととも一致する。

 日本の生活スタイルが、ある程度感染をゆっくりとしたものに出来てはいたけれど、放置すれば、やはり指数関数的に増加するんだっていうことだ。

 

 今朝のモーニングショーで、岡田先生が仰っていた。

 唾液から、多くのウィルスが検出されるので、日本のマスク文化が、効果が出ていたということだと。

 シャイやなあ。

 キス文化がない事が大きい。

 ってことでしょう。

 スキンシップの頻度が高いうえに、大陸の西側は、水不足の環境にあるので、日本ほど手洗い文化がない。

 国によっては、年に数回しか洗濯してはいけないから、ものすごい数の洗濯物をためてまとめて洗うって、旅番組で言ってた。

 ヨーロッパ人は体臭がきついって言うけど、まあ肉食もあると思うけど、水不足で洗濯の頻度が低く衣類ににおいが残るのかもなあって思った。

 そして、大陸の東側であるはずのニューヨークでも、ヨーロッパ人の手洗いしない文化は、そのままだった可能性もあるし。

 ニューヨークでは、格差が広がっていたことで、住環境が悪かったり医療を十分受けられない貧困の人たちが一定数いたことで、感染が広がった場所もあっただろうと思う。

 

 凄い!

 不謹慎ですが、ホンマに、ちょっと興奮します。

 これだけのことが、これほどの違いを生むんや!

 

 ということは、私も、神戸の結果が出るまでは密かに期待していた、感染が広がっているので集団免疫が期待できる説は、消えた。

 一方で、多少の季節性があると考えると、本来は、感染が広がる時期だった3月までの間、抑えられていた。そのあと耐え切れなくなったけど。

 対策、どう考えるか?

 徹底的な抑え込みやろうな。

 日本人が、とても警戒し始め、それでも自粛をそれほど求められなかった時期、小野は、全国に遅れて3月12日から、休校をし始めたので、他の地域はもう少し前ですね。

 そこまでは、じりじりと感染者が増えつつも、日本人は、ライフスタイルで抑え込めていたんや。

 あの時に、武漢縛りがなかったら。クラスターでなくて、個発例を、一件一件抑えるべく、しっかり検査を広げていたら。

 本当に、緊急時事態宣言は、回避できたかもしれない。

 そして、発生件数自体を絞れるのであれば、早期発見早期治療ができたかもしれない。

 そこを、政権?厚労省?他の国の機関?が、真摯に受け止めて、対策の失敗を認められたなら。

 

 日本人の生活習慣と、小田垣理論による「検査と隔離」と、新たに出てきた治療薬によって、経済を回すことができるんじゃないのか?って、思った。

 

 インフルと比べたら、流行と呼べないほどの感染規模で、これほど強い症状が出て、命が危険にさらされる。

 インフル程度で恐れて、経済止めるのはアホやというていた奴!

 これどう見る?

 冷静で、データに基づいた、安全を考慮した対策を、ちゃんと考えな!

 私らは、21世紀に生きてるんやで!

 

 以上、本日の興奮を、お伝えしました。

 はたらこ。

 ホンマに、感染者ほとんどおらんようになったかもな。

 小野市、抗体検査で、過去に感染した人々の感染規模の調査、せえへんかな。

 IgG抗体検査1件、ナビタスクリニックで、5500円?

 最初の報道では、10セットで25000円やったから。

 1000人分、100セット、250万円。

 職員一人の人件費、行かんくらい?

 

 

※追記

 この検査は、いくつものキットを評価するために、最近の献血500人分と、去年の献血500人分の比較のようです。

 去年の血でも、2人が陽性(0.4%)なので、仮に新型の感染が始まっていた時期としても、確率的に、それに当たっているとは思いにくいので、旧型のコロナの抗体に反応していると考えるべきですね。

 そして、最近の献血500人分の内、3人が陽性。

 去年の献血の検査の結果を踏まえると、もしかしたら、全てが、旧型の風邪の可能性もあります。

 ただ、この抗体検査キットで、新型コロナの抗体が反応するとして、この3人(0.6%)は、旧型コロナと新型コロナの抗体の合計の値と考える物かもしれません。

 そう考えると、さらに新型コロナにり患した人の人数が少ないことになる。

 一番感染しているニューヨーク市で21%、ニューヨーク州で14%なので、この中に、旧型のコロナの抗体に反応したものが含まれていたとしても。

 日本の感染率が、圧倒的に低いことは間違いなさそうです。

 感染自体を抑え込めていたと、言えると思います。

 

 ただ、そうなると、本当にコロナが少なかったことになり、場合によっては、かなりの時期までクラスター対策が効いていたと主張されたら、それはないやろ!って、反論できなくなりますね。

 私は、武漢縛りで、個発例を見て見ぬふりをして、クラスター対策だけをやっていたことは、失敗だったと思っているので。

 3月末ごろには、京産大生のクラスターが話題になり、すでに、武漢型の第一波は抑えたが欧米型が流行し始めたと言っていたと思います。

 私、ブログで陰謀説書いてもたな。

 感染率が、相当低かったことによって、クラスター対策が有効だったとか、正当化に使われないか、とても疑ってます。

 ただ、そうなって来ると、独自のキットを開発して調査した大阪市立大学医学部付属病院の抗体検査の結果、1%がありますから。

 クラスター対策をやり玉に挙げたりたい!くらいの感情はありつつ。

 そういう予断は、しっかり脇に置いといて。

 真実が明らかになって欲しいですね。

 今後の、有効な対策を、きっちり準備するためにも。

 この後も、抗体検査をするようなので、また違った事実が見えてくるかもしれません。

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